不動産投資で延滞し破産するまで
不動産投資による延滞発生から破産までは、以下のように進行します。
- 収入の減少
- ローン返済の滞り
- 金融機関からの督促
- 担保物件の競売
- 自己破産の選択
収入の減少
まず、賃貸物件の空室率が増加したり家賃が下落したりすると賃貸収入が減少します。また、突発的な設備の故障により修繕費用がかかり賃貸収入で得た収益が圧迫されることも考えられます。
さらに不動産業で収入が減少している状態で、設備の故障や修繕が発生すると、本業の給与収入で賄うことになりますが、勤務先の業績が芳しくなく給与収入が減っていたり、子供の教育費負担が大きくなるタイミングと重なっていたりすると返済は苦しくなります。
賃貸収入の減少は計画していたキャッシュフローに大きな影響を与え、ローンの返済が困難になる大きな原因となります。
収入の減少を防ぐためには、まずは購入検討段階でしっかりとその物件の周辺環境の分析や周辺物件の賃料相場との比較を行った上で、中長期的な賃貸ニーズを分析することが必要です。また、購入後については、物件の定期的なメンテナンスや入居者入れ替わりのタイミングでリフォームを行うなども対策として有効です。
ローン返済の滞り
収入が減少するとローンの返済が困難になります。貯金や他の収入で補填できない場合は返済が滞ってしまいます。
ローンの返済が滞ると、金融機関からの督促が始まり、返済が遅れるほど個人信用情報に悪影響を与えます。これにより、他の金融機関からの借入もしにくくなります。
金融機関からの督促
返済が滞ると金融機関から督促が届きます。金融機関からの督促に対しては、できる限り早期に対応することが大切で、金融機関に対して自身の状況をしっかり伝えることで、返済計画の見直しなどに応じてもらえるケースもあります。
担保物件の競売
返済を求めても応じない場合や返済のメドが立たない場合など、最悪の場合には担保物件が競売にかけられます。
競売は市場価格よりも低い価格で売却されることが多く、低い価格で売却されるとローン残債を下回る価格となってしまうことがあります。競売を避けるためには、任意売却やリースバックなどほかの選択肢を検討することも重要です。
自己破産の選択
競売や任意売却で物件を売却しても残債が返済できない場合、自己破産を選択するケースもあります。裁判所に申し立てを行い、破産手続きと免責手続きを経て、債務が免除されます。
あくまでも自己破産は最終手段であり、他の手段が尽きた場合に行うものです。自己破産を選択する際には、専門家の助言を受け、適切な手続きを行うことが重要です。