乳がん発覚で思い知った想定外の出費
その後は特になにもなく日常を過ごしていた川原さんですが、ちょうど1年前に毎年受けていた乳がん検診で乳がんが発覚しました。最初に入院して手術、その後は薬の治療を行っていくということ。
がん保険に加入しなかったことを多少後悔したものの、その分貯蓄はしてきており、入院期間も1週間ということで、がんとはいえ経済的にはそこまで影響はないものと思っていました。
実際に退院時の支払いでは、自己負担額は約10万円で貯蓄から支払っても問題ない額で済みました。しかしそこから現在に至るまで川原さんは2つの想定外を味わうことに。
1.毎月お金がかかり続ける
退院後薬の治療と定期的な検査を行うことを伝えられていた川原さん。ただ入院や手術ほどはお金はかからないと思っていたのですが、約3週間に1回の通院での治療費は数万円と想像していたよりも高額で、数ヵ月に1回は検査の費用も合わせてかかります。
入院・手術のときは自己負担額が約70万円だったものの、健康保険の高額療養費を申請したので実際支払う額は約10万円で済みました。
退院後の通院費については、この高額療養費の対象となるほどの金額にはならず、請求された額をそのまま支払う必要があります。しかも主治医からは、薬物療法は特に問題がなければ5年ほど行っていくとのことです。
2.老後のための毎月の貯蓄が困難に
通院での乳がん治療を受けるようになり、毎月数万円の費用が新たに発生するようになった川原さん。そういった日々が数ヵ月続くようになり気づいたことがあります。
それは、毎月の貯蓄がいままでのようにできなくなったことです。川原さんは老後がとても心配で毎月決めた額を必ず貯蓄に回していました。そしてセカンドライフに入るときに2,000万円の貯蓄を作っておきたいと考えていました。
ただ現在は治療と検査が重なる月にはほとんど貯蓄にお金を回せなくなっています。毎月の貯蓄が減ることがイヤでがん保険加入を見送った川原さん。がんになってしまったときのお金のかかり方について精査することなく、がん保険の必要性を決めてしまったことを今後悔しています。