「5年で1,000万円の取り崩し」のはずが…「3年で1,000万円」の読み違い
現在、男性の1ヵ月の支出は30万円ほど。住宅ローンの支払いは月12万円。あと8年ほど残っているといいます。
現役時代、定年前に繰り上げ返済してしまうか、それとも、予定通り定年後も支払い続けるか……悩んだあげく、プロに相談したところ、繰り上げ返済すると手元資金がかなり少なくなってしまうからという理由で、支払い続けることも選択したといいます。
しかし、現在の月収では年間180万円ほどの赤字。これを貯蓄から取り崩して賄っています。年金をもらうまでの65歳までの5年間で、1,000万円近く取り崩す計算でした。しかし、定年退職から3年。すでに取り崩し額はあれよこれよと1,000万円を超えているとか。
――単なる私の読み違いです。定年後に大きい支出は、住宅ローンの返済くらいかと思っていました
90近くになる親の介護費用は想像以上にかさみ、さらに昨年、大病を患った妻の医療費は保険ではカバーできない部分もあり、300万円近くの出費になったといいます。
あと2年で年金がもらえる年齢になるものの、その年金額も退職金のように「想定していたのと違う」という事態になったらという不安がつきまといます。
平均寿命で考えれば、15年から20年ほどを考えればいい。しかし、あくまでもそれは平均値。想定通りといくとは限りません。厚生労働省『令和5年簡易生命表』によると、63歳男性の平均余命は21.15年。そして21年後の84歳、平均余命は6.79歳。人の生き死には、誰もコントロールできず、想定内にいくほうが稀(関連記事:『【早見表】いつまで生きられる?男女・年齢別「平均余命」…<令和5年簡易生命表>』)。
――15年、20年と生きていたら年金制度も変わり、想定外のことが起こるかもしれない……正直、長生きするのが怖いです
ただ不安に怯えながら生きていく……それが老後の真実だと、男性は悟ったといいます。
[参考資料]