東京都心の官庁街にも土砂災害の危険性がある
国土交通省では土砂災害の恐れがある範囲を調べる基礎調査を全国で進め、約70万箇所の警戒区域、特別警戒区域を指定しています。
それは土砂災害とは無縁のように思える東京都心部にも。東京都が公開している「土砂災害警戒区域等マップ」で土砂災害警戒区域をチェックしてみると、たとえば千代田区の官庁街、内閣府内閣官房の裏手に土砂災害特別警戒区域を表す赤色のエリアが……。このように東京都心部でも、まさかこんな身近に、というところに、土砂災害の危険性が潜んでいるのです。
東京23区の「土砂災害警戒区域」についてみていくと、該当エリアがないのは「足立区」「葛飾区」「墨田区」「江戸川区」「江東区」「中央区」の6区。隠れた危険地域はあるかもしれませんが、ほかの区は、土砂災害の危険性が顕在化したエリアが存在し、その数、1,004ヵ所。そのうち「特別警戒区域」は692ヵ所にも及びます。
なかでも警戒区域が最も多いのが「港区」で208ヵ所。そのうちは特別警戒区域114ヵ所あり、ほかの区を圧倒しています。実際に港区には「赤坂」や「乃木坂」など、坂がつく地名が多く、それらの地域では都市化の過程で盛り土がされました。そのため、土砂災害の危険性が高い区域が多く点在しているわけです(関連記事:『【ランキングをすべてみる】東京23区「土砂災害リスク」ワースト23』)。
◆東京23区「土砂災害危険度」ワースト5
警戒区域 | うち特別警戒区域 | ||
---|---|---|---|
1 | 港区 | 208 | 140 |
2 | 板橋区 | 146 | 114 |
3 | 文京区 | 106 | 63 |
4 | 世田谷区 | 103 | 80 |
5 | 大田区 | 96 | 59 |
※出所:東京都建設局
このような都市部でも点在する土砂災害の危険区域。災害に巻き込まれないためにも、前出の「土砂災害警戒区域等マップ」など自治体で発表している情報をしっかりと確認。また雨の際に排水パイプからの水が濁っていたり、そもそも大雨にも関わらず排水パイプから水が出ていないのは、土砂災害の黄色信号。その場を離れたほうがいいでしょう。
[参照]
東京都『土砂災害にそなえるために:東京都における土砂災害対策事業』