相続が起きたら「実家の半分は私のモノよ」と主張する妹に兄は…
さらに女性が激怒した出来事が起こります。兄が作ったギャンブルで作った借金300万円の返済まで、母が肩代わりしていたことが判明。聞いたところによると、兄の月収は45万円ほど。それだけの収入がありながら、親に泣きつくほどの借金を作るなんて……堪忍袋の緒が切れたといいます。
――いつまで親に甘えているんだ!
株式会社アシロが行った『借金に関するアンケート調査』によると、「借金をしたことがある」と回答したのは26.0%。借金の理由として最多は「生活費の補填」で35.9%。「住宅購入」24.7%、「車の購入」23.1%、「買い物」13.3%。「ギャンブル」は10.9%でした。単純計算、借金経験の有無に限らず「ギャンブルで借金をしたことがある人」の割合は2.8%。50人に1人以上という水準で、身近な問題であることが分かります。
――会社に連絡が来てしまって。これはマズいと思って
悪びれることなく言い放つ兄も兄なら、借金を肩代わりする母も母。ふたりを叱責するも、母は猛省する一方で兄はどこ吹く風。これ以上、怒る気力も起きなかったといいます。
ただ、今年80歳になる母。いつまでも元気とは限りません。母が亡くなった後、「お金がない!」と言い寄られても困ります。そこで
――もしお母さんが亡くなったとき、この実家の半分は私のモノよ
ともしもの時の相続の話を兄にしたといいます。
――そしたら俺はどこに住むんだよ
――知らない、自分でどうにかして
――(怒ったように)母さんに遺言書を書いてもらう
――それでも遺留分を主張するから、わたし
――遺留分!?
被相続人の有効な遺言があった場合、原則として、その遺言に従って相続されることになります。つまり「実家は兄に」という遺言書があれば、それに従うということになります。しかし、そこで注意したいのが遺留分。これは一定の相続人に対して、遺言によっても奪うことのできない遺産の一定割合の留保分であり、法定相続分の半分が認められます。遺言書があっても、遺留分を侵害されている相続人からの遺留分減殺請求によって、遺留分を侵害している範囲で遺言の内容が修正されることになります。
つまり法定相続分通りであれば、実家を1/2ずつ分けることになります。遺言によって「実家を兄に」とあっても、法定相続分の半分、1/4は遺留分として妹である女性は主張できるということになります。
――今度、借金を作ったら、わたし、どんなことがあっても、ここ(実家)から追い出すからね
静かなトーンで兄に言い放ったという女性。それを本気に捉えたのか、母いわく「(兄は)もうギャンブルはやらないと言ってたわよ」。効果的な一言になったようです。
[参照]