住まいの経年劣化は避けられず、マンションであれば大規模修繕工事を「12年周期」で考えるのが一般的で、築40年以降は建て替えも視野に検討するケースが多いようです。しかし何をするにしても入居者の合意形成が必要なマンション。うまくいくとは限らないようです。
自分が先に逝くか、それとも…〈年金18万円〉81歳のおひとり様、雨漏りの天井を見つめ絶望「こんな結末を迎えるとは」 (※写真はイメージです/PIXTA)

築古マンション激増…10年で4倍に

――ここを買ったのは、オイルショックの前だったか

 

都内の分譲マンションで暮らす、81歳の男性。30歳になる前に通勤の便を考えてマンションを購入。30歳になる前の決断だったといいます。翌年には長男が誕生し、その2年後には次男が誕生。次男は大学卒業のタイミングで、長男は結婚のタイミングで実家を出て、夫婦二人暮らしがスタート。ただ奥さんは2年前、79歳で他界し、以来、男性は家族との思い出が詰まったマンションでひとり暮らしを続けています。

 

――当時はモダンだったけど、さすがに50年も経つとボロボロだよ

 

そう天井を見上げた先にあるのは、茶色なシミ。雨漏りだそうです。

 

――先に自分が死ぬか、それともこのマンションが崩れるか……

 

国土交通省『令和5年度マンション総合調査』によると、築40年以上のマンションストック数は2012年調査では29.3万戸でしたが、2022年調査では125.7万戸。この10年の間に、4倍以上にも膨れ上がりました。この先、10年後には260.8万戸、さらに10年後には445.0万戸になると推測しています。

 

マンションが老いる一方で、入居者の高齢化も進んでいます。マンション入居者で最も多いのは「60代」で27.8%。次いで「50代」が23.7%、「70代」が21.7%。また5年前調査と比較すると、「30歳以下」は7.1%→6.2%と減少する一方で、「70代」は22.2%→25.9%と増加しています。

 

また3ヵ月以上空室の戸数割合をみていくと、築10年以内のマンションでは「0%=空室なし」が71.3%であるのに対し、築40年以上のマンションでは32.1%。つまり6割強のマンションが「空室あり」と回答。また所在不明・連絡先不通の戸数が1戸でもあるマンションは全体の3%ほど。築年数が古くなるほどその数は増えていき、1975年以前に建てられたマンションでは12.1%にもなりました。

 

空き家が多かったり、所有者に連絡がつかなかったりすると、修繕に大きな影響が出るようになります。実際、マンションなどの集合住宅において、修繕費の不足はいま大きな社会問題になっています。今回の調査では4割のマンションで、「修繕積立金残だが計画に比べて余剰がある」と回答する一方で、「計画に対して20%超の不足」と回答したマンションは11.7%。10棟に1棟程度の水準でした。

 

また老朽化対策についての議論の有無を聞いたところ「議論を行っていない」が66.1%で、「議論を行い、建て替えや解体、修繕・改修の方向性が出た」というマンションは13.3%にとどまっています。老いるマンション(マイホーム)を前にしても、話し合いのテーブルにつくこともない……それが現状です。