公務員と会社員。平均給与にはそれほど大きな差はありませんが、マイホームの購入においては「公務員が有利」という場面に遭遇することも。一方で、住宅ローンの返済に行き詰まる公務員カップルも珍しくないといいます。みていきましょう。
銀行「全額、貸せますよ」…世帯年収1,000万円「2人とも公務員の安泰夫婦」、都内8,000万円・新築マンションをフルローン購入も自滅 (※写真はイメージです/PIXTA)

平均給与34万円…住宅ローン審査で優位になる公務員夫婦

総務省『令和5年地方公務員給与実態調査』によると、地方公務員(一般行政職)の平均月収(諸手当含む)は34万2,051万円。男性に限ると35万4,767円、女性に限ると31万7,420円でした。

 

一方、民間企業はどうでしょうか。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、平均月収(諸手当含む)は34万6,700円。男性に限ると38万5,400円、女性に限ると28万0,700円です。

 

平均値はほぼ一緒。公務員のほうがライフイベントを経た女性でも職場復帰しやすいという事情があるからでしょうか、男性の平均給与は「民間>公務員」ですが、女性においては「公務員>民間企業」となっています。

 

公務員は何かと恵まれているといわれますが、平均給与で比較する分には、男女差はあるものの会社員との差はそれほど大きなものではありません。公務員であることのメリットが発揮されるのは、やはりマイホームの購入シーン。会社員と比べて圧倒的に住宅ローンの銀行審査に通りやすいとされています。

 

その理由はやはり安定性。会社員であれば解雇されたり、勤務先が倒産したりというリスクがありますが、公務員であればそのようなリスクは圧倒的に低く、懲戒免職などにならない限り、定年まで勤め上げることができます。

 

会社員であれば会社の業績が悪いから減給とか、賞与はナシということも考えられますが、公務員であれば給与はある程度一定額が見込めます。また昨今は、退職金制度を廃止する企業が中小企業を中心に増えていますが、公務員においては退職金ナシの動きはみられません。

 

銀行も「公務員なら安心して貸すことができます」と太鼓判が押せるというわけです。

 

もちろん、公務員であっても、過去にローンの滞納や遅延があるなど、信用に傷がついている場合は別。銀行も「信用できないので貸せません」という判断になります。