(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢となった親の介護を、親と同居する子が引き受けるケースは多くあります。しかし、同居の子が介護を理由に財産を使い込み、相続時にそれが発覚した場合、ほかの相続人は、使い込みの立証と追及をすることは可能なのでしょうか。また、このような事態を防ぐ方法はあるのでしょうか。法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が解説します。

「財産使い込み」のトラブルを回避するには?

家族間における刑事責任の追及はむずかしく、また、民事的な責任の追及であっても、相続発生後では、多くの場合手遅れになってしまいます。

 

このような「相続発生後の使い込み発覚」によるトラブルを回避するには、どうしたらいいのでしょうか?

 

まず、親が亡くなる前に管理を任された通帳の残高を確認することは絶対です。

 

それから、定期的な通帳残高の確認、出費とその目的を記したメモあるいは領収書の確認を継続すること。

 

家族であっても、お金に関する管理は確実な証拠が残すことが重要です。

 

定期的な確認をしておけば、多額の預貯金を使い込まれるといった事態を回避できる可能性が高くなります。逆に、一生懸命面倒を見ている側からしても、ほかの家族からあらぬ疑いをかけられるというリスクが減らせます。

 

もし相続発生後に使い込みが判明した場合は、「遺産分割調停」という制度を利用して解決していくことになります。

 

裁判よりも調定のほうが簡易に争いを解決することができるため、このような制度を利用し、第三者から争いを解決するサポートをしてもらう方法もあります。

 

とはいえ、家族間のトラブルは回避したいものです。親が亡くなる前なら、親の承諾の有無等の立証も比較的容易です。

 

円満な関係継続を実現するには、日頃からのコミュニケーションがとても大切になるといえます。

 

 

加陽 麻里布
司法書士法人永田町事務所
代表司法書士

 

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