一生、共に生きよう……誰もがそう誓い合って結婚するものの、残念な結果に終わることも珍しくはありません。離婚の原因はさまざまですが、その後、破綻の危機に直面するケースも珍しくありません。みていきましょう。
妻「もう赤の他人なので」と吐き捨て、子を連れ実家へ…1人残された月収40万円・43歳の〈モラハラ夫〉が直面する「住宅ローン破綻」 (※写真はイメージです/PIXTA)

月18万円返済…家族との思い出が詰まったマンションに1人残った(元)夫

離婚を切り出し、話し合うこと1年。ようやく離婚が成立。そして実家に引っ越す日。「駅まで送るよ」と最後に格好をつけようとする(元)夫に対して、「大丈夫。もう赤の他人なんで」と吐き捨てて、ドアを閉めたという女性。「本当にスッキリした」と解放感でいっぱいだったといいます。

 

後日談。

 

10年前。5,000万円・30年返済の住宅ローンで購入した新築マンションに、ひとり残された(元)夫。このまま住み続けるか、売却するか……悩んだ末、前者を選びました。

 

――「10年間の思い出が詰まった家、売りたくない……」とワケの分からないことを言っていました

 

と女性。(元)夫なりに、思うところがあったようです。ただ妻の収入があるからと、少々無理して組んだ住宅ローンです。残債はまだ4,000万円強あり、月収40万円・手取り31万円に対して、月々の返済は18万円ほどもあります。さらに月5万円の養育費。当初、養育費は月10万円とされていましたが、ローンの支払いを理由に減額してもらったもの。それでも家計は常に火の車です。

 

結局、離婚から1年ほどで音を上げ、売却へ。幸い、家の売却額で住宅ローンを完済することができ、わずかながらお金が残ったとか。一応、財産分与の対象となりますが……

 

――財産分与!? いいです、いいです、いまさら

 

と女性。離婚をすると、財産分与を請求できる権利が生じますが、この権利を行使できる期間は離婚が成立した時点から2年間。以降は、財産分与を請求できなくなります。

 

子どもと父親(元夫)が関わるのは仕方がありませんが、女性としては金輪際関わりたくないとか。株式会社リライフテクノロジーが行った『離婚後の人生の歩みに関する調査』によると、「離婚して良かったこと」で最多は「ストレスが軽減された」で50.5%。「身軽になった」49.6%と続きます。いまさら元夫と関わるのはストレスなだけ。財産分与を拒否するのも納得です。

 

[参照]

株式会社アシロ/「ベンナビ離婚」『離婚意識に関するアンケート調査』

株式会社リライフテクノロジー『離婚後の人生の歩みに関する調査』

法テラス『ローンが残っている住宅も、財産分与の対象とすることができるのですか。』

法テラス『離婚後であっても、財産分与を請求することができますか。』