不動産投資をはじめる際には、物件を現金で買うか、ローンを組んで買うかを選ぶ必要があります。ローンを組む場合、頭金が必要なのか、相場はいくらくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか。そこで本コラムでは、不動産投資ローンの頭金が必要かどうか、頭金を入れるメリットやデメリットにも触れながら解説します。また、不動産投資で頭金以外に必要となる諸経費についても紹介します。不動産投資を検討中の方はぜひ最後までご覧ください。

 

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頭金を入れるデメリット3選

金融機関から求められていない場合でも、頭金を支払うことでメリットがあるということを前項で解説しました。

 

次に、頭金を入れるデメリットを解説します。

 

  • 自己資金を用意する必要がある
  • レバレッジ効果が弱まる
  • 突発的な支出に対応しづらくなる

 

自己資金を用意する必要がある

頭金を入れる一番のデメリットは、頭金を支払うための自己資金を準備する必要があることです。

 

先述した頭金の目安は1〜2割であり、仮に2,000万円の物件を購入する場合は200~400万円の頭金が必要になります。まとまった貯金がない場合は、頭金を貯めるための期間が必要になり、結果として不動産投資のスタートが遅れてしまいます。

 

世の中の市況や情勢は日々変わっていくものであり、ほしい物件もいつまでも残っているわけではありません。そのため、頭金を投入するメリットと比較しながらに、頭金なしのフルローンで投資をすることも必要かもしれません。

 

レバレッジ効果が弱まる

頭金を入れることでレバレッジ効果が弱まってしまいます。

 

レバレッジとはテコの作用になぞらえて小さい力で大きな効果をもたらすという意味で、不動産投資では「小さい資金で投資額に対して数倍の投資をして収益性を高める」ということになります。

 

不動産投資では自己資金とローンを組み合わせることで、実際に自分が持っている自己資金以上の物件を購入したときより大きな収益を得ることができます。

 

頭金の額が大きいほど投資できる物件の数の制限や自己資金の回収スピードも下がってしまうことはデメリットといえるでしょう。

 

突発的な支出に対応しづらくなる

頭金を入れることで自己資金が大きく減ってしまうために、突発的な支出があった場合に対応がしづらくなってしまいます。

 

不動産投資をすると、突発的に補修や修繕が必要になる場合があったり、固定資産税などの税金の支払いがあったりするなど、物件購入後も現金が必要になります。しかし、頭金を支払うと手持ちの現金が少なくなってしまいます。

 

不動産投資以外にも、冠婚葬祭・趣味・交際費など個人的な支出も当然ありますが、そこに充てられるお金も少なくなります。そのため、自己資金を十分に確保していない状態で頭金に回してしまうと、突発的な現金の支払いが必要な場合にうまく対応できなくなる可能性があるのはデメリットといえるでしょう。

頭金なしで始めるならフルローンを利用しよう

(画像:PIXTA)
(画像:PIXTA)

 

頭金を支払わずに物件を購入したい場合は、フルローンを活用しましょう。フルローンとは、物件価格の満額の融資を受けることを指し、頭金を準備せずに手元の自己資金を残してすぐに不動産投資を始めることが可能です。

 

一方で、フルローン融資を受けたとしても不動産価格に対してのローンであり、後述するような不動産価格以外の諸費用については別途用意しなければいけないことは注意が必要です。

 

上場企業での勤務や勤続年数が長い場合など、支払い能力に問題ないと審査された場合にフルローンを受けられるため、頭金なしで始めたい人は金融機関や不動産会社に相談しましょう。

 

以下の記事でフルローンとはなにか、フルローンのメリットデメリット等について解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。

 

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