初心者トレーダーによくありがちなのが、利益トレードを連続で繰り返したあとに大きく損失を出してしまうことです。こうした事象はなぜ起きるのでしょうか? 今回は、FXにおける偶然と思い込みの危険性を株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説していきます。
初心者トレーダーが5回以上連続で利益を上げたら要注意!? その後に“自爆”しがちな「典型的3つのケース」【月利30%トレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

2.想定外の値動きが起きたとき

2つ目は、経済指標の発表や各国の緊急の報道があった際に起こるサプライズによる値動きに原因があります。FXでは、必ずしも自分の作戦どおりに利益を上げることはできません。誰も予想していなかった政府の会見やサプライズの経済指標によって、たまたま利益を得られることがあります。

 

FXを行ううえでラッキーはつきものです。しかし、この幸運を自分の手柄のように振る舞ってしまうトレーダーも多くいます。ラッキーを誤った認識で捉えてしまうと、不安定な相場環境で運に身を任せた逆張りや、含み損を抱えた際に塩漬けしてしまうなど、運に頼った行動をとるようになります。

 

必ずしも運任せでトレードすることが悪いとはいえませんが、長く相場から利益を上げていく確率を考えると、上手なトレードスタイルとはいえないでしょう。ときどき発生する相場でのラッキーを客観的に捉えられるかどうかが初心者トレーダーから脱却できるかの鍵になります。

 

3.注文変更後に相場の反転が起きたとき

3つ目は、あらかじめ設定していた損切りのラインに近づき、損を回避したいために損切ラインを変更したときに、相場の反転が起こると、誤った自己評価が起こります。

 

FXでは、基本的に含み損になっている状態で損切りのラインをより広く変更することはいいことではありません。ポジションの塩漬け行為は、含み損をなんとかして利益に持っていきたいという心理的な負担を軽くするために起こります。

 

理由もなしに損切りのラインを変更することは含み損を拡大させるだけであり、初心者トレーダーが行うべき行為ではないでしょう。しかし、損切りラインを変更したあとに、いきなり相場が反転し、含み損が解消された場合、トレーダーに誤った自己評価を与えてしまいます。トレンドの転換期の逆張りに成功すると、まるで相場の転換ポイントがわかったかのように感じますが、運がよかっただけということがほとんどです。

 

一度幸運を掴んでしまうと、塩漬けが習慣となり、損切りのできないトレーダーとなってしまいます。

FXで成長するには謙虚さが必要

今回は、FXでよく起こる、誤った自己評価による失敗を3つ解説しました。自分を肯定し、前向きにトレードを振り返ることは大切ですが、自分のトレードスキルを過剰に評価してしまうとその後、自爆してしまいます。

 

日常生活と一緒で、FXで成長するためには謙虚に自身のトレードを振り返ることが大切です。自分を客観的に振り返り、思い込みによるトレードを少しでも減らすことで、安定した利益を上げることができるでしょう。
 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント

執行役員