世界でも有数の長寿国である日本ですが、最期の最期まで健康に過ごせるかどうかは別問題です。「まだまだ元気」と思っていても、ある日突然、病が降りかかってくることも……。本記事では、Aさんの事例とともに日本の高齢者に立ちはだかる壁について、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
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「いい人生だった」と終わるには
最期にいい人生だったと言える人はどのくらいいるのでしょうか? 多くの人は高齢期になんらかの病気を抱えながら日常生活を送っていることでしょう。
いまのAさんは、認知症ではありませんが、体が思うように動かず週3回の人工透析に通うだけの毎日です。人工透析以外の時間はベッドに座りながら、ボーっとテレビをみるだけの毎日が続いています。Aさんが、最期に「いい人生だった」と思うかどうかは、家族にはわからず、切ない父の姿に、娘は涙が止まりません。
病は想定外に進行することもあります。闘病生活が長くなり、生活が一変したAさんが「いい人生だったよ」そう終われるように、いまは病と向き合いながら、できること、したいこと、目標を作って生活することを願うばかりです。
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表