結婚と同時にスタートする、義親との関係。本物の親子のような関係を築ける場合もあれば、どんなに時がたってもぎこちなさが残る場合も。ときには、いがみ合う関係になることも珍しくはありません。そんな関係にあるとき、配偶者が亡くなったらどうなるのでしょうか。みていきましょう。
嫁「もうあなたとは他人なんで」と言い残し娘と海外留学…ひとり日本に残された「70代義母」がいずれ知る衝撃事実

義母との姻族関係を終わらせる「姻族関係終了届出」

女性は「姻族関係終了届出」を提出してから海外へ旅立っていました。

 

そもそも女性と義母は、姻族の関係にあります。これは配偶者の両親や配偶者の兄弟姉妹などの親族のことで、配偶者の生前に離婚したら、姻族関係は終了します。一方で、配偶者と離婚せずに配偶者が死亡した場合は、姻族関係は継続となります。

 

姻族関係のある女性と義母。たとえば義母に介護が必要になったとき、女性は義母を扶養する義務が生じます。きっと「介護をするなんて、もってのほか」と思うでしょう。

 

そこで「姻族関係終了届出」をもって姻族関係終了の意思を市区町村の窓口に示せば、義母との姻族関係は終了。扶養義務も消滅します。

 

また姻族関係が終了しても死亡配偶者との婚姻関係がなくなることはなく、遺族年金の受給権に影響はなし。また相続においても、配偶者は相続人のままです。これらは子どもにおいても同様で、仮に義母が亡くなった場合、相続人になるはずだった夫(息子)はすでに他界しているので、代わってその子ども(孫)が相続人になります。

 

姻族関係終了届を提出しても、役所から親族に通知がいくことはありません。戸籍謄本の身分事項欄に「姻族関係終了」と記載されるため、義母がその戸籍を取得したら、「もう他人……」の女性の言葉に隠された衝撃的な事実を知ることになります。

 

[参考資料]

ARINA株式会社/「おうち教材の森」アンケート調査『義親に言われて1番傷ついた一言は?』

ARINA株式会社/「おうち教材の森」アンケート調査『離婚したいと思う1番の理由は?』

大阪市『姻族関係終了届』