肉は健康にいいのか?

一方、魚と並ぶ重要なたんぱく質源である、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類は、健康によいのでしょうか?

答えは、それも「食べ方による」です。

肉も良質なたんぱく質であるのは事実ですが、動物性脂肪も多く含むので、普通に食べると、コレステロールや中性脂肪の摂取量も多くなるのが一番の問題です。

特に肉の「脂と塩」の悪魔の短命コンビを日常的に摂っている地域は、ほとんどが短命です。

たとえば、岩塩を大きな肉にはたきつけて食べる「シュラスコ」という名物料理のあるブラジル。

羊の肉と塩茶やバター茶を摂る習慣のあるシルクロードのカザフ族。

これらの地域は、脂いっぱいの肉と大量の塩を一緒に摂っているので、心臓死が多くて短命です。

ちなみに、琉球大学大学院医学研究科の益崎裕章教授の研究では、動物性の脂肪には、喫煙やアルコール以上の中毒性があることが、動物実験でわかっています。

動物実験の段階ではありますが、人間社会でも、脂肪が豊富な肉や、ラードの流入によって、たちまち長寿食文化が崩壊に向かうケースが多いことを考えると、非常に気になる結果です。


家森 幸男
武庫川女子大学健康科学総合研究所
国際健康開発部門長