テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資未経験者によくある勘違いを調査する目的で、株式/投資信託/FXに取り組んでいる20歳以上の男女592名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、必要となる資金量をはじめとして、取引開始前後における投資に対するさまざまな印象の変化が見えてきました。
投資を始める前と後でどう変わる?株式・投資信託・FXの経験者に行ったアンケートで「投資に対するイメージの変化」を徹底調査 (※写真はイメージです/PIXTA)

6.投資開始後に「預金より有利」と 考える人がやや増加して6割超え

次のグラフは、「投資は預金よりも有利と思うか」について質問した結果です。

 

 

 

「非常に当てはまる/当てはまる(=預金よりも有利)」と回答した人は、開始前は58.8%、開始後は62.3%と3.5%増加しました。このうち「非常に当てはまる(=預金よりも非常に有利)」と回答した人は、開始前の19.1%に対して開始後は21.8%と2.7%の増加となっています。

 

なお、「当てはまらない/全く当てはまらない(=預金よりも不利)」と回答した人は、開始前は12.7%に対して開始後は12.3%とほぼ同水準でした。

 

もともと半数以上が投資は預金より有利と考えており、預金より不利と 考える人は少数に限定されています。さらに実際に投資を始めることで、投資の有利さを実感しやすいところがあるようです。

 

続いて、この結果を投資方法別に集計したグラフです。

 

 

 

開始前における「預金よりも有利」と 考える人の割合は、株式が58.6%、投資信託が62.1%、FXが55.6%でした。一方、「預金よりも不利」と 考える人の割合は、株式が13.6%、投資信託が8.6%、FXが15.8%でした。

 

また、開始後における「預金よりも有利」と考える人の割合は、株式が62.1%、投資信託が64.1%、FXが60.7%でした。一方、「預金よりも不利」と 考える人の割合は、株式が11.6%、投資信託が9.6%、FXが15.8%でした。

 

いずれの投資においても、「預金よりも有利」と 考える人が「預金よりも不利」と考える人よりも、圧倒的に多いという結果です。また、株式/投資信託では開始後に「預金よりも非常に有利」と 考える人が大きく増えており、それぞれ4.0%/4.5%の増加となっています。

 

7.投資信託は開始後に「ギャンブル性が低く堅実」と感じる人が9.1%増加して5割に

次のグラフは、「投資はギャンブル性が低く堅実と思うか」について質問した結果です。

 

 

 

「非常に当てはまる/当てはまる(=ギャンブル性が低く堅実)」と回答した人は、開始前は39.2%、開始後は43.2%と増加しました。また、「当てはまらない/全く当てはまらない(=ギャンブル性が高く堅実でない)」と回答した人は、開始前は27.9%、開始後は25.2%と減少しています。

 

続いて、この結果を投資方法別に集計したグラフです。

 

 

 

開始前における「ギャンブル性が低く堅実」と 考える人の割合は、株式が33.8%、投資信託が40.9%、FXが42.9%でした。一方、「ギャンブル性が高く堅実でない」と 考える人の割合は、株式が30.8%、投資信託が20.7%、FXが32.1%でした。

 

また、開始後における「ギャンブル性が低く堅実」と 考える人の割合は、株式が34.3%、投資信託が50.0%、FXが45.4%でした。一方、「ギャンブル性が高く堅実でない」と 考える人の割合は、株式が25.8%、投資信託が17.7%、FXが32.1%でした。

 

最も大きな変化が見られるのは投資信託で、開始後は開始前よりも堅実と 考える人が9.1%と大きく増えており、堅実でないと考える人も減少しています。また、株式は堅実と 考える人はそれほど増えていませんが、堅実でないと考える人が5.0%減っています。

 

一方で、FXについても堅実と考える人は増えていることが確認できますが、強く堅実と 考える人が3.1%減ると同時に、堅実でないと強く考える人は5.1%増えています。

 

これまで紹介したデータを踏まえても、FXは実際にトレードをすることで、ネガティブな印象を強くする人が一定数出やすい側面がありそうです。FXは比較的始めやすい投資であることから、準備不足のまま始めて、トレードに失敗している可能性が考えられます。

まとめ

今回の調査結果をまとめると以下のとおりです。

 

• 「投資は少額ではできない」と感じていた未経験者は、投資を始めたあとに半数以上のケースでその印象が変わっている

• 株式/投資信託では、取引を始めてから「利益を出すのに時間がかかる」と感じる人が減っている

• 投資に対して”強い”リスクを感じる人は、取引を始めると減少する傾向が見られる

• 投資を始めたあとに「預金よりも有利」と感じる人は62.3%で、「預金よりも不利」と感じている人の12.3%を大きく上回っている

 

この結果からは、投資に対する印象は実際に取り組むなかで変わり、ネガティブなイメージが薄まりやすいことが読み取れます。投資未経験者に対する丁寧な情報提供を継続することが、国内における投資の活発化につながると考えられます。