テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資未経験者によくある勘違いを調査する目的で、株式/投資信託/FXに取り組んでいる20歳以上の男女592名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、必要となる資金量をはじめとして、取引開始前後における投資に対するさまざまな印象の変化が見えてきました。
投資を始める前と後でどう変わる?株式・投資信託・FXの経験者に行ったアンケートで「投資に対するイメージの変化」を徹底調査 (※写真はイメージです/PIXTA)

4.投資開始後にリスクを強く感じる人は減少する傾向

次のグラフは、「投資はリスクが小さいと思うか」について質問した結果です。

 

 

 

「非常に当てはまる/当てはまる(=リスクは小さい)」と回答した人は、開始前は34.8%、開始後は37.0%と増加しました。また、「当てはまらない/全く当てはまらない(=リスクが大きい)」と回答した人は、開始前の39.2%に対して開始後は35.0%と減少しています。

 

なお、「全く当てはまらない」に関しては、開始前の16.7%に対して開始後は11.0%と、3分の2を下回る水準になっています。実際に投資に取り組むことで、投資に対する過度な恐怖心は薄れる傾向があるといえそうです。

 

続いて、この結果を投資方法別に集計したグラフです。

 

 

 

開始前における「リスクは小さい」と 考える人の割合は、株式が24.2%、投資信託が39.4%、FXが40.8%でした。一方、「リスクが大きい」と 考える人の割合は、株式が51.0%、投資信託が25.8%、FXが40.8%でした。

 

また、開始後における「リスクは小さい」と考える人の割合は、株式が25.8%、投資信託が43.9%、FXが41.3%でした。一方、「リスクが大きい」と 考える人の割合は、株式が41.9%、投資信託が24.7%、FXが38.3%でした。

 

この結果からは、投資信託は、投資の開始前後に関わらず最もリスクが小さく安全な投資と考えられていることがわかります。また、いずれの投資方法でも、開始前よりも開始後のほうが、「リスクは小さい」と 考える人が増加し、「リスクが大きい」と 考える人が減少しています。

 

なお、株式/投資信託の「リスクが非常に大きい」と感じる人の割合は、開始前は21.2%/9.1%でした。これが開始後は10.1%/4.0%と、半数以下に減少しています。これに対してFXでは、開始前の19.9%に対して開始後は18.9%と、減少は小幅にとどまっています。

 

株式/投資信託は、投資を実際に始めることで極端なリスクを感じる人が減少する傾向がある一方で、FXについては、こういったリスクに対する印象の変化が起こりにくいところがあるようです。

 

5.株式/投資信託は開始後に「専門知識は必要ない」と感じる人がやや増える傾向

次のグラフは、「投資には専門知識は必要ないと思うか」について質問した結果です。

 

 

 

「非常に当てはまる/当てはまる(=専門知識は必要ない)」と回答した人は、開始前は32.9%、開始後は35.1%とやや増加しました。また、「当てはまらない/全く当てはまらない(=専門知識が必要)」と回答した人は、開始前は41.4%、開始後は38.3%と減少しています。

 

開始前後に関わらず、投資において専門知識が必要と 考える人の方が多いという結果になりました。ただし、開始後では両者の差は小さくなっており、情報収集を行って知識が身に付くこと/投資に慣れることなどによって、知識面でのハードルが下がる可能性が考えられます。

 

続いて、この結果を投資方法別に集計したグラフです。

 

 

 

開始前における「専門知識は必要ない」と 考える人の割合は、株式が24.2%、投資信託が32.8%、FXが41.8%でした。一方、「専門知識が必要」と 考える人の割合は、株式が52.5%、投資信託が35.4%、FXが36.2%でした。

 

また、開始後における「専門知識は必要ない」と考える人の割合は、株式が25.8%、投資信託が38.4%、FXが41.3%でした。一方、「専門知識が必要」と 考える人の割合は、株式が46.0%、投資信託が30.3%、FXが38.8%でした。

 

株式/投資信託では、投資を始めることで「専門知識は必要ない」と 考える人が増加して、「専門知識が必要」と考える人が減少しています。これに対してFXでは逆の現象となっており、投資を始める前よりも知識が必要と感じる人が多いといえそうです。

 

なお、投資未経験者を対象に行った他の調査では、投資を行っていない理由として「知識不足」を挙げた人が最も多く54.9%でした。投資業界の活性化という意味では、投資未経験者に対して正しい情報を届けていくことが重要になると考えられます。