株式投資において、お金を「増やす人」と「減らす人」とでは、取引の仕方に明確な「違い」があるようです。ファイナンシャルアドバイザーである長谷川伸一氏の著書『お金の動きに強くなる投資の入口』(総合法令出版)より、詳しく見ていきましょう。
「ダイエットを決意したのに間食」「したくもない夫婦喧嘩」をしてしまう人は〈投資に不向き〉といえる、意外なワケ【投資のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ギャンブラーの誤謬

コイントスで9回連続表が出た場合、次の10回目は表と裏とどちらが出るのか、多くの人は、「9回も続けて表が出たのだから、そろそろ裏が出る」と考えます。このことを「ギャンブラーの誤謬」といいます。

 

1回1回の勝負の表が出る確率は2分の1です。毎回が独立した事象なのです。ですから、「9回も続けて表が出たのだから、そろそろ裏が出るのではないか」というのは明らかに間違っているのです。

 

投資はギャンブルではありません。つまり、投資のプロはこのような判断は行いません。

 

「株価が5日連続で下がり続けているから、そろそろ上がるのではないか?」

 

このような考えは、誤りの元なのです。安くなっているのはそれだけの理由があります。その理由を調べもしないで、そろそろ上がるのではないかと判断するのは軽率です。5日連続で下落した原因をちゃんと調べなければなりません。調べたうえで、株価が下がっている原因をその会社がクリアしていれば、今後上昇するはずです。しかし、まだその原因が解消されないままなのであれば、さらに下落することが多いのです。

 

お金を減らす人は、原因や理由を調べもせずに判断します。チャートを見て、「そろそろ上昇トレンドに入るだろう」と思うのです。何の根拠もなく直感で判断しているのです。描いたシナリオ通りに動かないのが株式ですから、根拠のない直感は危険です。

 

お金を増やす人は一旦立ち止まり、その原因や理由を探るのです。もちろん、チャートもしっかりと確認します。そして、トレンドの変わり目を確かめて取引をするのです。

 

 

長谷川 伸一
ファイナンシャルアドバイザー