株式投資で儲けるか、損をするかの分かれ道は、どこにあるのでしょうか。ファイナンシャルアドバイザーの長谷川伸一氏は、「流れの変化をとらえることが重要」といいます。長谷川氏の著書『お金の動きに強くなる投資の入口』(総合法令出版)より、お金を増やす人の「銘柄を買うタイミング」について、詳しくみていきましょう。
「この銘柄、2日間もストップ高だ。買おう!」は危険…株式投資のプロが〈釣られ買い〉を全力で止める、深いワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

釣られ購入の危険性

急に値上がりする銘柄があります。2日間ストップ高になったりすると誰もが勢いを感じます。値上がりのピッチが早い銘柄であればあるほど、それに釣られて購入する人が出てくるのです。

 

この釣られて購入するというのが危険なのです。そこに自分の意志がないからです。

 

たとえば、チェックしていた銘柄が急に上昇したとします。見守っていたのですが、買い注文するのが遅れてしまい、出遅れてしまいました。いろいろ調べてみるとまだ上昇する気配がします。そんなとき、お金を増やす人は、買わないという行動はしません。感覚が鈍ってしまうからです。とりあえず最低限でいいから買っておくのです。そうすれば、下がってしまったときに、冷静でいられます。

 

株価が上がっているときというのは、もっと上がるのではないかという気持ちしかありません。しかし、買うと株価の上昇が止まるということがあります。まるで、自分の行動を神様が見ているように感じることが結構あります。

 

もしも、さらに上昇したら、最低限で買った分だけ利益は取れます。下がったとしても、冷静に買い足すのか、損切りして仕切り直すのか冷静に判断できます。

 

つまり、出遅れたときに焦って買うのではなく、事前に少額だけ買っておくのです。そうするとその後の動きを冷静に見極めることができるのです。冷静になれば、自分のペースを保つことができます。

 

たとえば、私が取引した銘柄で株価が3倍以上になった会社があります。それは、やはり業績の大幅上方修正という好材料があったからでした。そのときは日経新聞などにも業績が出てきますし、インターネットのサイトでも情報が流れます。そうすると当然買いが殺到して上昇しました。

 

出遅れたなと思った多くの人はそこで諦めてしまいます。これ以上は上がらないだろう、と考えるのです。

 

しかし、私はまだまだ伸びそうだと判断して、顧客にも薦めました。最初は3割ぐらいは上がって、しばらくもみ合っていたのですが、結局一番高く売った顧客が2.5倍ぐらいになりました。最終的には4倍ぐらいになったのです。

 

 

長谷川 伸一
ファイナンシャルアドバイザー