住宅ローンの審査には事前審査と本審査があります。事前審査に通過し、手付金等を支払っても、本審査で謝絶されたり、融資限度額が減額されたりするケースは少なくありません。具体的にはどのようなケースでしょうか? また、そうした場合に備えた対策はあるのでしょうか? 本記事では、Mさんの事例とともに不住宅ローン審査における注意点について、FP事務所・夢咲き案内人オカエリ代表の伊藤江里子氏が解説します。
年収800万円の40代会社員、5,500万円の“住宅ローン審査”を無事通過!6ヵ月後の引き渡しを心待ちにするも…一転「やっぱり貸せません」のワケ【CFPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

少し遅めのマイホーム購入を決断

住宅購入は人生の一大イベントですが、家族のライフイベントにあわせた資金計画と住宅ローンの概要をしっかり把握しておかないと、落とし穴にはまってしまうことがあります。

 

本記事では、Mさん(43歳、会社員)の事例を通して、住宅ローン審査や売買契約書の「ローン特約」について理解しておくことと、資金計画の重要性ついてお伝えします。

 

<事例>

Mさん:43歳 会社員 (年収800万円)

 

家族

・妻:42歳 無職(今後パート勤務予定、年収見込み120万円)

・長男:14歳 (中学2年生)

・次男:13歳 (中学1年生)

 

購入住宅:中古戸建て(築2年)

・計画:5,500万円 35年ローン利用予定 土地・購入価格5,500万円

(諸経費 約400万円は自己資金で賄う)

 

賃貸住まいから、マイホームへ

Mさんは全国に拠点がある企業に勤務する会社員です。転勤があったため賃貸住宅に住んでいましたが、老後のことも視野に、住宅購入を検討しました。

 

子どもたちも中学に入学したので異動で転居はしたくない、住宅ローンを利用することを考えても、44歳までに購入したい。そんなタイミングで条件に合った築浅の中古物件が見つかりました。

 

「私の場合、いくら借りられるだろうか?」と考えたMさんは、金融機関のサイトから事前審査を利用しました。
その結果、借入れ可能金額は6,200万円で35年間ローンの利用も可能ということがわかりました。


5,500万円のローンで、仮に金利が1%になったとしても月々の返済は15万円台(ボーナス払を併用しない場合)。実際は、もっと低金利で借りられそうです。諸費用・引越代の400万円は自己資金で賄うという資金計画をたて、売買契約を締結。引き渡しは売主の都合により、6ヵ月後となりました。