お金を増やす人の株の買い方
株の理想的な買い方は、最安値(大底)で買い、最高値(天井)で売ることです。しかし、最安値、最高値がいくらだったのかは、後になってわかります。
プロの相場師であったとしても、リアルタイムで大底や天井を見抜くことはできません。「ここが大底かな?」と思って買ってみたものの、さらに株価が下がってしまった。「ここが天井かな?」と思って売ってみたものの、さらに株価が上がってしまった、ということはよくあるのです。
大底かと思って買った株がさらに下がったとき「ああ、もう少し待てばよかった」と後悔します。そこで、お金を減らす人は、「もっと待ってみよう」と思い、売買のタイミングを外してしまいます。
そもそも、大底とは投資家の多くの人が総投げの状態です。もうダメだと思っている人が9割以上いるということです。そんなときに、その株を買うというのはかなり勇気のいることです。なかなかできるものではありません。
記憶に新しいコロナショック。2020年2月頭には24,000円に迫っていた日経平均株価は世界的なパンデミックで世界の動きが止まってしまいました。
そして世間は不安感から株価がパニック一色となり、1カ月後には17,000円を割り込んでしまいました。結果的にここで買い向かえばよかったということになりますが、大半の人にはその判断はできません。多くの人は急に株価が下がってくると、もっと下がると思い大底で買おうとするからです。
おそらく、「もっと下がる」と多くの人が思ったはずです。ですから、大底で買おうとする人は結局大底で買えないのです。
お金を増やす人は、いいところまで下がってきたら「もう、いいよ。買っておくよ」と思って買います。
たとえばこのとき、日経平均のPBRは1倍を割れていました。日本株全体が解散価値より下回ったということです。
解散価値を割り込むことは異常だと考え、買いへと向かった投資家はいると思います。今まで23,000円だった株価が20,000円を大きく下回ったとき、19,000円前半くらいで買った投資家はいるはずです。そういった解散価値は暴落時に活きます。さらに下落し18,000円を割り込んだら、追加して買うくらいの気持ちで買うことです。
精神的にある程度自分が容認できる値段で買うことが大切です。結果的に反転すれば、結局17,000円、19,000円も変わりません。また23,000円に戻れば、結局買って良かったと思います。余談ですが、2024年2月執筆中についに1989年12月の高値38,915円を抜き大きなニュースになりました。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があるぐらいです。
長谷川 伸一
ファイナンシャルアドバイザー