得られる収益を見込んで買う
「株価を見るか、会社を見るか」を深く考えてみます。
お金を減らす人は、株価ばかりに気を取られて、少しでも株価が上がるとすぐに利益確定して売ってしまいます。2%や3%といった小さな利益を積み重ねていくわけです。
しかし、株式投資は負けるときは一気に下落します。損失が30~40%出てしまうことはざらにあるのです。そうなると、今までに小さく積み上げてきたものが一瞬で吹き飛んでしまいます。
お金を増やす人は、買ったときのシナリオを考えます。
ある会社の中期経営計画に、3年で3倍を目指していると書いてあったとします。実際にこの会社がやっていることや経営者の資質などをチェックしてみて、「この会社ならば少なくとも2倍は達成しそうだ」というシナリオを自分なりに組み立てるのです。つまり、お金を増やす人は、株価が10%、20%ほど上がったところでは売りません。株価が2倍になるまで保有し続けます。
もちろん、逆もあります。好材料が発表された材料株の場合、短期で一気に株価が上がるケースがあります。しかし、好材料というのは一過性のものですから、上がったらすぐに売らなければなりません。下がるときは一気に下落するからです。つまり、買ったときに見込んだシナリオを達成したタイミングで利益を確定するのがお金を増やす人なのです。
私はよく、投資をサッカーにたとえています。サッカーは同じ勝率のチームがある場合、得失点差で優勝が決まります。勝つときにいかに多い得点で勝ち、負けるときにいかに少ない得点で負けるかです。極論ですが、投資の場合は50勝70敗でも、50勝の中身の価値を上げて、70敗以上の収益を上げればいいわけです。
やはり、得失点差で最終的に利益が出たことが勝ちにつながるのです。
長谷川 伸一
ファイナンシャルアドバイザー