定年後も働くことが既定路線になりつつあるサラリーマン。しかし、定年を境に給与が大幅に減り、家計がピンチに陥ることも。そんな人たちを救ってくれる「給付金」がありますが、どうやら暗雲が立ち込めている様子……みていきましょう。
月収44万円・60歳の定年サラリーマン〈給与大幅減〉で大ピンチも「月4万円の給付金」に歓喜!ところが…再び「収入減」で落胆のワケ

給与が大きく減ってしまった「定年サラリーマン」がもらえる給付金だが…

――給与が3割以上も減ってしまうとは……

 

そんな現実に肩を落とす60代サラリーマン。そんな苦しさから、ほんの少し救ってくれるのが「高年齢雇用継続給付」です。これは60歳以降の給与が60歳時点の給与と比較して75%未満だった場合に支給される給付金。60歳以降の給与に所定の給付率を掛けて支給額を決定します。

 

現在の給付率は最大15%(低下率61%の場合)。60歳時点の給与が44万円で以降の給与が月26万円だとすると、「26万円×15%=3.9万円/月」が支給されます。

 

――なんと月に4万円! ありがたい!

 

なお「高年齢雇用継続給付」の支給条件を整理すると、以下の通り。

 

●60歳以上65歳未満で、一般被保険者として雇用保険に加入していた人

●60歳時点の給与とそれ以降の給与を比較して、75%未満に低下した人

●雇用保険の支払期間が5年以上あった人

 

なんともありがたい「高年齢雇用継続給付」ですが、定年年齢の引上げなどにより、その役割を果たしつつあることから、将来的に廃止の方向にあります。その一環として、2025年4月から給付率は10%に。前出のサラリーマンの場合、「26×10%=2.6万円/月」と月1万円強の減額になります。

 

――なんと、1万円の減額……痛すぎる!

 

なお「高年齢雇用継続給付」は本人に直接支給される給付金ですが、申請は勤務先を通じて行います。会社がこの制度を知らない場合もあるので注意が必要です。

 

[参考資料]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

厚生労働省『高年齢雇用継続給付の見直し(雇用保険法関係)』