転職サイトに登録して今のニーズを知る
転職サイトでは、今企業から求められている旬の人材情報を得られます。
コロナ禍以降「大転職時代」と呼ばれるように人材流動の激しい時代になっています。たとえば、筆者が長年携わってきた人事領域では、採用業務経験に対する人材ニーズが高まっていることが転職サイトをのぞいていると気がつきます。ぜひ、一度ご自身の職種を転職サイトに登録してみてください。自分の専門領域でどのような人材が求められているのかがわかります。転職サイトは、今の会社ニーズを把握するための貴重なのぞき窓になっているのです。
転職サイトの「ビズリーチ」のPRコピーに「転職する・しないにかかわらず自分の市場価値を知ることが大切です。あなたもビズリーチで自分の市場価値を確かめてみませんか?」というものがありますが、まさにこの考え方です。
とはいえ、新卒一括入社で大企業に入り、一度も転職経験のないシニアにとって、転職サイトに登録すること自体に抵抗を感じる方もいるかもしれません。「転職サイトに登録したことが会社にバレるのではないか?」「個人情報が洩れるのではないか?」など、終身雇用を前提として新卒から社会人生活を始めたシニア層の中にはこうした意識を持った人がまだいます。
その一方でコロナ禍以前から若手の就労意識の変化は進んでいます。そのことを指し示す調査として日本能率協会が2019年度の入社半年・2年目の若手社員に行なった意識調査を紹介します。超若手社員の職場や仕事内容に対する考え、現状の満足度を探るための調査ですが、結果は次の通りです。
・約半数が転職を検討・活動中で、転職サイトにも登録済み。定年まで勤めるつもりの社員でも6割が転職サイトに登録済み・約3割が「副業・兼業している」と回答。定年まで勤めるつもりの社員のほうが実施率約5割と高い・副業・兼業に興味がある/行なっている理由は、「収入を上げるため」が多数
すでに若手は、「転職前提」で自らのキャリアをしたたかに考えているとともに常に時代のニーズに向けたアンテナを立てているのです。
シニアも同様な行動を取る必要があります。これからの時代は、今転職をする/しないにかかわらず、サラリーマンの誰もが転職サイトに登録し、人材市場の風を直接感じることがデフォルトの行動になっています。
今、世の中で求められている役割に直接的な経験がなくても問題はありません。同じ職種の仕事であれば長年の経験で鼻が利くので、容易に対応スキルの獲得は可能です。再び人事の例で恐縮ですが、今まで採用を主担当として経験していなくても、採用活動のどこがキーポイントであるかは勘が働きますし、どうしても必要な知識・スキルに関しては、意識的に社内でその領域の経験を積むことでほかの職種のシニアが対応するよりも容易に対応が可能です。
今までの自分ができる仕事を少し改良すれば対応できる仕事はいくらでもあります。
木村 勝
行政書士
リスタートサポート木村勝事務所 代表