日本人の国民病とも言われる「糖尿病」。予防するために重要なのは「脂肪を落とすこと」だと、肝臓外科医の尾形哲氏は言います。尾形氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』(KADOKAWA)より、糖尿病の予備軍である「境界型糖尿病」に加え、「脂肪肝」と診断された広人さん(仮名)の事例を通して、健康的に減量する方法について見ていきましょう。
「糖質制限」中は要注意!〈唐揚げ〉〈ドレッシング〉〈脂身〉を避けると、逆に太りやすくなる“意外なワケ”【肝臓外科医が助言】
食事制限しても体重減少が停滞する時期に突入…
【登場人物】
・前田 広人(会社員)……20代から10kg以上太ってしまった30代の会社員。健康診断により「肝機能」と「糖代謝」で要精密検査となり、スマート外来へ。スポーツドリンクの大量摂取が一因となり、「境界型糖尿病」と「脂肪肝炎」との診断が下される。
・前田 美希(主婦)……広人の妻。妊娠5ヵ月。
・尾形 哲(医師)……肥満・脂肪肝専門外来「スマート外来」担当医。外来患者の8割以上を3ヵ月で5kg減、脂肪肝改善に導くメソッドを確立する。
3回目の受診に向かう朝、妻から手渡された食事の記録表を見ている。
9月14日の夕食は、めかじきソテーのトマトソースがけ、ブロッコリーサラダ、かぶのポタージュ、ご飯70g。
9月15日の夕食は、アスパラガス入りとりつくね、きゅうりとたこの酢の物、しいたけとわかめのみそ汁、ご飯70g。
9月16日の夕食は、接待で外食。瓶ビール2分の1本、刺し身盛り合わせ、焼きとり、シーザーサラダ、だし巻き卵、もろきゅう。追記、みんなは焼きそばを食べていたが我慢した。
9月17日の夕食は、とり肉ポトフ、トマトとアボカドのサラダ、雑穀ご飯70g。
9月18日の夕食は、豚肉のザーサイ炒め、たことセロリの和え物、しいたけと長ねぎのスープ、ご飯70g。
9月19日の夕食は、残業で遅くなる。会社にてサラダチキン、おにぎり1個。夜食に卵入りの野菜スープ。
9月20日の夕食は、なす入り麻婆豆腐、大根とわかめのサラダ、チンゲン菜としいたけのスープ、ご飯70g。以下、続く。
朝食は目玉焼きかレンチンで作る温泉卵、納豆、豆腐と具を2品入れたみそ汁、ご飯70gの和食バージョンと、目玉焼き、チーズトースト、サラダか野菜スープの洋食バージョンを、ローテーションした感じだ。
よくもまあこんなにメニューを思いつくものだ。妻は自分の体のこともあるのに、よくやってくれている。なかなか言葉にしてお礼を伝えられないが、ありがたい。
僕のほうはと言うと、筋トレを始めた。やっぱり体を動かすと気分もいい。ただ、体を動かしても体重があまり変わらなくなっているのも事実だ。妻の努力をムダにしたくないのだが……。今日、先生に相談しようと思う。