糖尿病を防ぐには、脂肪を落とすことが重要です。糖尿病の予備軍である境界型糖尿病に加え、脂肪肝と診断された広人さん(仮名)との会話を通して食習慣を見直しながら、落とすべき脂肪について見ていきましょう。尾形哲氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』(KADOKAWA)より、実際のエピソードとともに糖尿病を発症しやすくする習慣について解説します。
体を労わってしたことが「糖尿病」の原因に!?…「肝臓脂肪」と「糖尿病」の切っても切り離せない関係とは【専門医が解説】
糖尿病を防ぐには肝臓から脂肪を落とす
僕の肝臓には脂肪が多いことがわかった。肝臓なんて、正直、今まで意識したことなかった。でも、そんなに脂肪の多い体ではないし、肝臓の細胞の中の脂肪なんてどうやって減らすんだろうか……。きちんと聞いておこう。
「すみません、僕、そこそこ筋肉質で脂肪は少ないほうだと思うのですが……」
「体につく脂肪には種類があって、肝臓脂肪のほかに皮下脂肪と内臓脂肪がある」
「聞いたことがあります。でも、違いはよくわかりません」
「皮下脂肪は名前のとおり、脂肪が皮下組織につく脂肪のこと。太ももやお尻まわり、下腹部などについている、触ってわかる指でつまめる部分。広人さんがイメージしたのはこの脂肪かもしれないですね。一方、内臓脂肪は胃や腸へ流れる血管の入った膜にたまっていく脂肪のこと。メタボと言われる病態の診断基準の1つになる脂肪です」
「えっと、じゃあダイエットをすれば、この3つの脂肪が減っていくんですね」
「まあそうなんですが、減っていくタイミングには時間差があります。減量すると、①肝臓脂肪→②内臓脂肪→③皮下脂肪の順で落ちていきます。見た目に表れるのは、皮下脂肪が落ちてから。でも、広人さんはまず肝臓脂肪を落としたいから、減量すれば効果が出やすいというのは朗報でしょ?」
そうは言っても、どうすれば肝臓脂肪は落ちるんだろうか?
<先生からの処方箋>
内臓脂肪より肝臓脂肪を落とせ! 糖尿病予防には、肝臓脂肪を減らすことが優先。