テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、投資信託に関する知識と投資行動の関係について調査する目的で、投資信託を保有中の20歳以上の男女207名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、投資信託の知識のある人ほど課題を感じやすく、新NISA開始後に新たな商品の購入・買い替えの可能性があることが見えてきました。
新NISAスタートで投資信託の購入・買い替えを考えている人は56%!投資信託に関する知識と投資行動の関係とは【最新調査結果】 (※写真はイメージです/PIXTA)

3.投資信託の知識がある人の方が現状に課題を感じる傾向

次のグラフは、現在のポートフォリオに満足している人・満足していない人の割合を、投資信託に関する知識別に集計したものです。

 

 

投資信託に「非常に詳しい」と回答した人の87.0%、「ある程度詳しい」と回答した人の77.8%が、現在のポートフォリオについて満足していないという結果となりました。投資信託についての知識がある人の大半が、自分のポートフォリオに課題を感じていることが分かります。

 

これに対して、「あまり知らない」と回答した人は57.0%、「全く知らない」と回答した人は16.7%と、投資信託について詳しくない人の方が、ポートフォリオに満足しています。

 

このように、投資信託の知識量と満足度は反比例する結果となりました。知識が深まるからこそ改善の余地が見えてくるため、課題を感じやすくなることがうかがえます。

 

次のグラフでは、現在のポートフォリオに感じている課題について知識別に集計しました。

 

 

全体で最も多かった「期待できる利回りが低い」は、基本的にどの知識レベルにおいても高い割合となっています。ただし、「ある程度詳しい」と回答した人については、「手数料が高い」が「期待できる利回りが低い」を上回っており、手数料への不満が目立つ結果となっています。

 

なお、「手数料が高い」は「あまり知らない」と回答した人の中でも2位で、意識されやすいポイントといえるでしょう。ただし、「非常に詳しい」と回答した人の中では順位が「その他」を除いて同率最下位となっており、経験を深めてくると手数料の重要度が相対的に下がってくるようです。

 

4.投資信託の知識が少ない人の方が低リスクな商品を好む傾向

仮に現在のポートフォリオに追加するとした場合、どういった商品が選ばれやすいのか調査しました。結果は、以下のグラフの通りです。

 

 

最も多かったのは「余裕資金だとしても低リスクなものを追加する」の28.5%でした。これに続く2位は「現行ポートフォリオの弱点を補いたい」で23.7%、3位は「短期間で利益を狙えるものを探す」で23.2%となっています。

 

続いて、この結果を投資信託の知識別に集計したグラフです。

 

 

全体で1位だった「余裕資金だとしても低リスクなものを追加する」は、「あまり知らない/全く知らない」と回答した人の中では1位でしたが、「非常に詳しい/ある程度詳しい」と回答した人の中ではともに4位となっています。

 

このことから低リスクな商品は、投資信託に関する知識が多い人よりも少ない人に好まれる傾向がうかがえます。