中小企業の退職金額は「大企業=公務員」の4~6割程度
人事院が行った『令和3年度民間企業退職金実態調査』によると、「退職給付制度がある」という企業は92.3%。従業員1,000人以上企業では97.5%に対し、従業員「50人~100人未満」の企業では88.1%。中小企業では10社に1社は退職金制度がありません。
退職金給付額(退職一時金+企業年金)をみていくと、勤続30年で1,450.5万円、勤続35年で2,331.8万円、勤続38年で2,353.2万円。民間企業でも、たとえば大学卒業後、新卒入社した会社で定年まで勤め上げることができれば、公務員並みの定年退職金を手にできそう。
ただし企業規模によって平均退職金額は大きく変わります。勤続年数別に従業員1,000人以上の大企業と、従業員50~100人未満の中小企業の退職金額を比べてみると、中小企業のサラリーマンの退職金は大企業のサラリーマンの4~6割程度の水準。つまり公務員と比べても、その程度の退職金しか手にできないということになります。
【勤続年数別大企業と中小企業の平均退職金額】
20年:7,926,000円/4,220,000円
25年:13,070,000円/6,914,000円
30年:16,288,000円/10,792,000円
35年:27,123,000円/11,277,000円
38年:26,635,000円/16,923,000円
※数値左より、従業員1,000人以上企業/従業員50~100人未満企業
日本のサラリーマンの7割は中小企業勤務とされるなか、公務員並みの退職金を手にできる(可能性のある)サラリーマンは少数派。「やっぱり公務員はいいなあ……」という公務員への憧れ、妬みは、退職金額をみても当然のことだと分かります。これらを払拭するためには、中小企業の待遇面のさらなる向上ほかありません。
[参考資料]