5.失敗パターンで多いのは「コツコツドカン」で38.5%が経験!(TB限定)
・コツコツドカン :コツコツと利益を積み上げるものの、一度の負けでドカンと大きな損失を出してしまうこと
・ポジポジ病 :相場の状況に関係なく、トレードを繰り返してしまうこと
・お祈りトレード :損切りを先送りした結果、身動きが取れなくなり祈るしかなくなること
・チキン利食い :利益が減ることを恐れて利食いが早くなり、想定通りに利益を伸ばせないこと
・ハイレバレッジ :高いレバレッジをかけた取引を行い、大きな損失を出してしまうこと
・飲酒トレード :アルコールに酔った状態でトレードを行い、判断が甘くなり失敗すること
FXをやめた人によく経験した失敗パターンを質問した結果が、次のグラフです。
最も多かったのは「コツコツドカン」で38.5%、これに「ポジポジ病」が34.5%、「チキン利食い」が30.4%で続くという結果となりました。また、「該当なし」と回答した人は11.5%に限定されており、大半の人が何らかの失敗パターンをよく経験していたことが分かります。
こういった失敗パターンは、トレードにおいて冷静な判断ができていないことが原因です。その背景にあるのが人間に共通して見られる認知バイアスだと考えられます。
FXで利益を出して生き残っていくためには、この認知バイアスを克服することが、大きな課題のひとつといえそうです。
6.FX継続に必要なものは1位「チャート分析」、2位「メンタル管理」、3位「資金管理」
FXを継続するために足りなかったものについて質問したところ、最も多かった回答は「チャートを読む・分析するスキル」で31.8%、次いで「メンタル管理能力」で30.1%、「資金管理・リスク管理の知識」で27.7%という結果となりました。
トレードにおける重要要素といわれるチャート・メンタル・資金管理の3つが上位を占める形となりました。経済ニュースや為替市場に関する知識よりもトレードに直結する要素が上位に入っていることからは、FXにおいてはトレードそのもののスキルが重要と捉えられていることがうかがえます。
7.FXの再開に前向きな人が64.2%と多数を占める
FXをやめた人に再開する可能性について質問したところ、「可能性は非常に高い/可能性はある」と回答した人は64.2%、「可能性は全くない/可能性はあまりない」と回答した人は35.8%という結果となりました。FXをやめたとしても、半数以上の人が再開について前向きに考えているようです。
以下は、FXを始めた当初の目的を、FXの再開可能性別に集計したグラフです。
このグラフで注目されるのが、FX取引を始めた目的で最も多かった「短期的な利益獲得」の割合です。FXの再開に前向きな人は「短期的な利益獲得」の割合が30%以下であるのに対して、前向きでない人は40%以上となっています。
このことからは、「短期的な利益獲得」を目的にFXを始めた人は、トレードに失敗して退場を経験すると、FXを完全にやめてしまう可能性が高いことがうかがえます。
これまでのデータを踏まえると、経験が少ない中でハイレバレッジをかけたリスクの高いトレードで大きな損失を出してしまい、FXに悪い印象を持ってしまうようなケースが想像されます。リスク管理に関する知識の周知をすることが、FX人口増加のための重要なポイントといえそうです。
【参考情報】投資仲間がいた人の方が再開可能性が圧倒的に高い
以下のグラフは、FXに取り組んでいたときに投資仲間がいたかについて質問した結果を、FXの再開可能性別に集計したものです。
FXの再開に前向きな人は投資仲間をいた人が大半なのに対して、FXの再開に前向きでない人は投資仲間がいなかった人が大半という結果となりました。投資仲間の存在は、FXの再開可能性に非常に大きな影響を与えていることがわかります。
FX業界の活性化という意味で、投資仲間をつくりやすい環境を用意することも重要な課題といえるでしょう。
初期の退場者を減らすためには、リスク管理などの情報提供が必要
今回の調査結果をまとめると以下の通りです。
・FX経験者の半数近くが現在は取引をやめており、そのうち49.6%がFXデビュー1年以内で退場している
・FX退場者のFXを始めた当初目的は「短期的な利益獲得」が32.4%と最も多い
・FXの経験が少ない中で、運用資金を大きく失って退場する人が多いと推測される
・FXに継続的に取り組むためには、チャート分析・メンタル管理・リスク管理といったスキルを身に付けることが重要
この結果からは、FXでは経験を積む前の早い段階で、大きな損失を出すなどして退場してしまうケースが多いことが推測されます。
FXを継続する人を増やしていくためにも、FXを始めようとする人・始めたばかりの人を中心に、特にリスク管理に関する情報提供を行うことが重要といえるでしょう。