テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、FXを継続しやすい環境づくりに必要なサポートを調査する目的で、FX経験があるものの現在はやめてしまった20歳以上の男女296名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、さまざまな理由により、FXを始めて早い段階でやめる人が多い状況が見えてきました。
FXデビュー1年以内でやめる人は49.6%…長く続かない「納得の理由」と継続に欠かせない「あのスキル」とは (※写真はイメージです/PIXTA)

3.FXをやめた理由で最も多いのは「運用資金を大きく失ったから」

 

 

FXでやめた理由で最も多かったのは、「運用資金を大きく失ったから」で19.9%でした。これに続いて多かったのが「FXに疲れた・興味を失ったから」で17.6%、「思うように利益が伸びなかったから」で16.9%という結果となりました。

 

いずれもトレードがうまくいかなかったことを示唆する回答で、取り組む時間やツールの活用といったトレード以外の理由でFXをやめた人は少数と考えられます。

 

また、前項の結果も踏まえると、初心者のうちにトレードがうまくいかないまま、大きな損失を出すなどして退場している人が多いことが推測されます。

 

4.FXを始めた目的は「短期的な利益獲得」が32.4%で最も多い

 

 

FXを始めた当初の目的について質問したところ、最も多いのは「短期的な利益獲得」で32.4%となりました。その他の選択肢は10%台後半で大きな差がなく、「短期的な利益獲得」で始める人の多さが際立つ形となりました。

 

短期的に利益をあげようとFXを始めたものの、逆に大きな損失を出して早期に退場することになってしまった人が多いといえそうです。FXに慣れないうちに短期的に大きな利益を狙ったことで、レバレッジをかけ過ぎたハイリスクなトレードになってしまうケースなどが推測されます。

 

【参考情報】FXをやめた人は短期トレードを中心に行っていた人が47.6%

次のグラフは、FXをやめた人の当時のトレードスタイルについて質問した結果をまとめたグラフです。なお、「自動売買(リピート系)」とは、トラリピや外為オンラインのサイクル注文などのように、一定間隔で自動発注を繰り返すといった、シンプルなルールに基づく自動売買のことを指します。

 

 

結果を割合の高い順番に並べると、以下のようになります。

 

・デイトレード:36.5%
・スイングトレード:20.9%
・ポジショントレード :18.6%
・スキャルピング:11.5%
・自動売買(リピート系以外):7.4%
・自動売買(リピート系) :5.1%
・その他:0%


最も多かったのがデイトレードで36.5%となりました。これに続くのがスイングトレードの20.9%、ポジショントレードの18.6%という形です。

 

なお、FXではデイトレードを行っている人が最も多いという調査結果もあります*1。そのため、この結果だけをもって、一概にデイトレードがFXの退場につながりやすいと結論付けられるわけではない点には注意が必要です。

 

とはいえデイトレードは、取引回数が多くなりやすいところがあります。トレードに慣れていない初心者がハイリスクなトレードを繰り返すと損失が膨らみやすく、早期の退場につながりやすくなると考えられます。

 

FXを始めた人に向けて、早い段階でリスク管理の意識を高めるためのサポートを充実させることが大切といえるでしょう。