ライフステージの変化とともに立ち込める暗雲…
Aさんの妻は3年前に待望の第一子を出産。愛娘とともに、思い描いたとおりのマイホームでの暮らしを満喫していました。
しかし、子育てはAさん夫妻が思っていた以上に大変で、Aさんの妻は娘が小さいうちは子育てと家事に専念できないかとAさんに相談しました。Aさんの妻の勤務先はあまり福利厚生が整っておらず、正直なところ産休・育休も名ばかり。周囲の目が気になり、数年は職場復帰が見込めないなかで長く仕事を休むことは難しく、退職して、子育てに専念することにしました。
子育てがひと段落するまでのあいだは、Aさん1人分の給与で家計を支えなければいけません。ですが、妻の収入がなくなるということは、当然家計にも大きな影響を与えます。
妻退職前の月間収支
《収入》
Aさんの給料(手取り) 33万円
妻の給料(手取り) 20万円
合計 53万円
《支出》
住宅ローン 15万5,000円
生活費 15万円
水道光熱費 2万円
積立 3万円
娯楽費 3万円
合計 37万5,000円
→14万5,000円の黒字
妻退職後の月間収支
《収入》
Aさんの給料(手取)33万円
《支出》
住宅ローン 15万5,000円
生活費 15万円
水道光熱費 2万円
積立 3万円
娯楽費 3万円
合計 38万5,000円
→毎月5万5,000円の赤字が発生
毎月15万円ほど貯蓄のできていた状態から、赤字の家計へと変わってしまったのです。
住宅ローンの決め手は「金利が低いから」
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」によると、利用している住宅ローンを選んだ決め手は「金利が低い」が71.7%となっています。このことからも、住宅ローンの利用者にとって「金利が低い」ということは大事なポイントであると同時に、昨今の低金利時代による住宅ローン金利の低さは住宅購入者にとって追い風となっています。
だからといって、借入金額を増やし無理な資金計画を行うことには注意が必要です。住宅ローンは当然ながら長期にわたって返済することになります。返済期間中にはさまざまなライフイベントが待っていることでしょう。特に「教育」や「老後」のタイミングと、住宅ローンの返済期間が重なる時期がある場合は要注意です。
「住宅」「教育」「老後」という人生の三大資金が重なる時期は間違いなく「支出の山」を迎えることとなります。出費が重なる「支出の山」を迎える時期をあらかじめ予測し、問題なく返済が続けられるかを判断することが大切です。