親が亡くなり、実家を相続した場合にどうするか、結構な難問です。住む人がいなくなり空き家になってしまうけど、売却か賃貸か、それとも……さらに色々と検討する前に解決しないといけない大問題を抱えている場合も。みていきましょう。
年金月8万円の80歳母、死去…「空き家の実家」訪れた50代息子、目撃した<衝撃的光景>【相続した実家の大問題】

「空き家となった実家」の大問題!片付けと清掃に数十万円も

それなりに賃貸のニーズがありそうな場所にあったという、男性の実家。売却も考えましたが、とりあえず人に貸せないか検討することに。状況確認のため久々に実家に訪れたところ、冒頭のように膝から崩れ落ちそうになりました。

 

――昔から母は片づけられない人だった

 

実家の玄関を開けると、足の踏み場もないほど“モノ”で溢れていたといいます。古い食品やポケットティッシュなどの日用品、自分で着るものなのか分からないような大量の衣服、どこからか拾ってきたような家電製品……。さらに畳や襖はボロボロで、腐っているのではないか、という状態だったといいます。

 

――モノで溢れているばかりか、どこからか異臭もして……

 

このままでは近所迷惑になってしまう。まずは片付けを試みましたが、あまりのゴミ(だと思われるもの)の量にすぐに断念。プロに頼まないと埒があかないと、片付け業者に頼ることにしたといいます。

 

――片付けだけに40万円、清掃にさらに10万円……なんか、バカらしくなりました

 

ミライルまごころサービスが行った『遺品整理の印象・イメージに関するアンケート調査』で「遺品整理で大変そうなこと」をたずねたところ、最も多かったのが「不用品の処理」で78%。「遺品と不用品の仕分け」「大型家財の搬出」「清掃」「金銭的な負担」と続きます。

 

また「遺品整理業者へ依頼する場合の費用」についてたずねると、「5万円未満」が最も多く44.0%。「5万~10万円未満」「11~15万円」と続きます。

 

この結果をみると、男性が空き家となった実家を片付けるのに50万円というのは、あまりに負担が大きく、「バカらしくなりました」というのも無理のない話だといえるでしょう。

 

ただ前出の調査にあるように、空き家を放置しておくデメリットは大きいもの。管理が行き届いていない空き家は、火災リスクが高く、注意が必要です。仮に放火などで火災が起きた場合、重過失以外は基本的に所有者責任を問われません。ただ自然発火の場合は重大な過失の有無によって責任が変わります。どちらにせよ、道義的な責任の有無は別問題といえるでしょう。

 

[参考資料]

一般社団法人あんしん解体業者認定協会『空き家の処分・活用方法に関する意識調査』

ミライルまごころサービス『遺品整理の印象・イメージに関するアンケート調査』