主食を減らせば脂肪肝は改善する

「糖質が多いもので、普段食べているものに心当たりはありますか?」

「チョコレート、クッキーなどのお菓子ですかね。プリンは好きです。スーパーでついカップスイーツを買ってしまうことも。たくさんは食べませんが、つい……」

「ついついも積もれば……です。どうしたら、ついつい食べがなくなりますか?」

「身近なところに置かないことですかね」

「いいですね。それは実行できそうですか。もしついつい食べをしてしまったら、自分用の記録という意味も含めてSNSで報告するなど、食べたことを自分で認識するクセをつけると、行動も体も変わってくるものですよ」

確かに食べたものを報告するとなれば、“つい”のハードルが確実に上がる。

「ところで、由美さんはご飯、パン、麺はお好きですか?」

「自宅にいる日のランチはパスタやうどん、惣菜パン、チャーハンが手軽なため多いです。パートの日は勤務先でいただくお弁当ですが、いつもご飯の量が多いんですよ。夕食は、ほぼご飯食でおかずと一緒に食べています。ご飯は好き嫌いというより、基本的にいつも食べるものという感じです」

「なるほど。でも今日からは米やパン、麺などはすべて脂肪になりやすい精製糖質で、砂糖と同じと考えてください。1日3食食べているなら、肝臓に与えるダメージは絶大です。だから、優先して減らして欲しいのは、少量のお菓子よりもむしろこっちですよ」

「えっ、主食ですよね……。減らすってどれくらいでしょうか?」

「主食は半分でおかずを増やした定食スタイルというのが、脂肪肝改善コースの定番になります。具体的には、ご飯は半膳で70g。パンなら菓子パンは避けていただいて、食パンで6枚切り1枚で60g。うどんなら半玉で120g。スパゲッティなら乾麺で35gになります。この量で主食の糖質量はだいたい25gになります。おかずと合わせて、1食の合計糖質量を40gに収めるのが基本になります」

糖質量の計算なんて、私にできるのか? 不安が顔に出てしまったようだ。

「難しく考えないでくださいね。守って欲しいのは主食の量だけ。野菜を多めに摂るように心がけてもらえば、あとはそんなに気にすることはありません。

野菜は1日350gが目安です。きんぴらごぼうや、ほうれん草のおひたしなど、小鉢にのった野菜1皿を70gと考えるのがよいでしょう。1日5皿以上で350gの野菜を摂ることができます。この350gは食物繊維1日20g以上という目標値の目安なんですね。だから、野菜でなくても、食物繊維の多いきのこや、わかめなどの海藻も1皿と数えてください。

野菜スープや野菜炒めは、小鉢の2倍で2皿分と数えて、1日に摂る量の目安にするといいですよ。ちなみに、『ベジファースト』とか『サキベジ』なんて言われますが、最初に野菜を食べると野菜の食物繊維によって糖の吸収がゆるやかになります。実践してみてくださいね」

〈先生からの処方箋〉

脂肪に変わりやすい精製糖質=砂糖・白米・小麦を減らすことが、脂肪肝改善の最短コース。