多くの人はマイホーム購入時、「返済できる」と思って住宅ローンを組むでしょう。しかし、熟慮のうえに購入を決断したはずが、なかには住宅ローン破産に陥る人も……。一体なぜなのでしょうか? 今回は、マイホームのなかでも「マンション」に焦点を当てます。タワマンを購入したAさんの事例とともに、マンション購入の注意点について、FP1級の川淵ゆかり氏が解説していきます。
年収1,200万円の42歳勝ち組サラリーマン、フルローンで「8,000万円・タワマン」を余裕の購入も…5年後に「破産すれすれ」綱渡りのワケ【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

金利が上がらなくても住宅ローンの返済額がアップ!?

なお、金利が上昇しなくても、住宅ローンの返済額がアップする場合があります。それは「優遇金利期間の終了」です。

 

優遇金利とは、ローン借り入れの際に店頭金利から割り引かれる金利のことで、返済期間の全期間に対して優遇されるタイプと返済期間の当初数年間のみ優遇されるタイプがあります。

 

返済期間の途中で優遇金利の期間が終了してしまうと、当然返済額は上がってしまいますので、当初から返済額の上がる時期の収入や支出の状況を考えておくようにしましょう。優遇金利は、年齢・年収・勤務先・勤続年数・年齢などローン審査の結果によって変わってきます。

支払額の増額に備えた住宅ローン計画を

人件費や建築資材、光熱費の値上げや税制改正などはマンションに住み続けるうえでのランニングコストに大きな影響を与えています。

 

頭金ゼロのフルローンや物件価格に加えて諸費用までをローンで借りるオーバーローンなど、家計に余裕のない無理な借り入れは住宅ローン破綻に向かわせます。

 

今後も値上げは続きそうですから、これから住宅ローンを組む人は余裕のある返済計画を立てるようにしてください。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表