少子化対策の財源確保として「1人当たり月500円弱の負担」が物議を醸しています。給与からの天引き額は増えていくばかりで「税金がヒドイ!」と批判の声が挙がることもしばしば。果たして、どこまで日本人の負担は大きくなっていくのでしょうか。
税金がヤバすぎる!平均「月収35万円」日本のサラリーマンの悲鳴…現役世代の負担はどこまで大きくなるのか?

昇給しても実感できない「給与から天引き」の実態

「500円弱」という数字がトレンド入りしましたが、これは岸田文雄首相が2月6日の衆院予算委員会で、少子化対策の財源として導入される「支援金制度」の負担額を、「1人当たり平均で月500円弱と見込んでいる」という発言を受けてのもの。2026年度から医療保険と併せて徴収する仕組みで、支援金による財源は28年度に1兆円となる見通しで、「歳出改革と賃上げで負担軽減の効果を生じさせ、実質的な負担を生じないなかで支援金を見込んでいる」といいます。

 

それに対して、「さりげなく保険料に上乗せしても、実質的に増税」「増税といえば支持率が落ちるから、体のいい言い方をしているだけ」​などと、手厳しいコメントが相次いでいます。さらに「全国民が1人500円の負担をしても、7,398億円。1兆円って、さらなる負担増は確実」と、さらに将来を悲観する声も散見されます。

 

そもそもサラリーマンは毎月の給与から色々と天引きされており、実際の手取り額をみては「税金がヤバい!」と悲鳴を挙げた経験は誰もがあるはず。しかも近年、その天引き額は増加傾向にあり、「ヤバい!」の声は大きくなるばかり。

 

あらためて給与から天引きされるものを確認すると、まずは健康保険に加入するためのお金である「健康保険料」。そして40~64歳は介護保険制度の財源として利用されるお金である「介護保険料」。そして厚生年金に加入するためのお金である「厚生年金保険料」と、雇用保険に加入するためのお金である「雇用保険料」。これらがいわゆる「社会保険料」。そして税金。まずは所得のある人が納める「所得税」。そして1月1日時点で住んでいる都道府県、市区町村に支払う「住民税」。

 

これらが給与の額面から天引きされて、だいだい残るのは75~80%ほど。しかも所得税は基本的には年間の所得に対して累進課税による所得税率が適用されます。給与が上がれば上がるほど「税金がヤバい!」を実感するようになるわけです。

 

【所得税の税率】

1,000円から1,949,000円まで…5%(控除額0円)

1,950,000円から3,299,000円まで…10%(控除額97,500円)

3,300,000円から6,949,000円まで…20%(控除額427,500円)

6,950,000円から8,999,000円まで…23%(控除額636,000円)

9,000,000円から17,999,000円まで…33%(控除額1,536,000円)

18,000,000円から39,999,000円まで…40%(控除額2,796,000円)

40,000,000円以上…45%(控除額4,796,000円)

 

たとえば、日本の平均的なサラリーマン(正社員・平均年齢43.5歳)。平均月収は35.3万円です。手取り額は27万円ほどで、差額は8万円ほど。月収が40万円では差額は9万円、月収50万円で12万円、月収60万円で15万円、そして月収74万円で差額は20万円を超えます(関連記事:『【早見表】月収別「サラリーマンの手取り額」…40歳・東京都在住の場合』)。