近年、よく見聞きする「老後破産」「老後貧困」という言葉。もし「自分には関係ない」と考えている人がいるのであれば、非常に危険です。人生100年時代のいま、たとえ現役時代に高所得であっても、老後破産のリスクはすぐそばに潜んでいます。今回、FP Officeの加藤勇FPが、事例をもとに「高所得者が老後破産危機に陥るパターン」を紹介。加藤FPの助言とあわせてみていきましょう。
「贅沢はカップ酒におでんの出汁割り」…ピーク時の年収は1,400万円、“都落ち”した64歳独身・元銀行員の末路【FPの助言】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「現役時代は高収入だった→老後破産」のパターンは意外に多い

実は、A氏に限らず、これまで筆者のもとを訪れてくれた相談者を思い返しても、A氏のような「現役時代に稼いでいた元・高所得者の老後破産危機」は意外と多い気がします。

 

やはり、前もって生活水準の見直しがなければ、退職金の無計画な利用や、現役生活と老後年金との収入落差から、一気に老後破産に向かう人は多いという印象です。

 

「老後は生活水準を落とせば大丈夫」と考えていても、いまできないことが将来突然できるとは思えません。そこで生活スタイルを見直すにあたり、多角的な面からアプローチしていくことが大切なのです。

 

家賃節約のため現在は実家に住んでいるというA氏から近況報告があり、「いまの贅沢は『カップ酒におでんの出汁割り』だな。これが美味いんだ。いざお金を使わなくなると、それはそれで新しい楽しみがみつかるもんだね。この生活なら、年金生活でもなんとかなりそうだ」と、嬉しそうに話してくれました。

 

 

加藤 勇

FP Office株式会社

ファイナンシャルプランナー