岩手に住む父に「東京の老人ホームに入らない」と提案
女性が提案したのは、女性の自宅から車で20分ほどのところにできた「住宅型有料老人ホーム」。民間企業が運営する「有料老人ホーム」には大きく、「自立型」「住宅型」「介護付き」の3種が。「自立型」は基本的に要支援・要介護者は対象外で、食事や家事といった生活支援サービスが提供されます。「住宅型」は介護度の低い人がメインで、施設によっては自立の人も入居できます。生活支援サービスのほか、外部の介護サービスを受けることができます。「介護付き」は「生活支援サービス」と「介護サービス」がすべて組み込まれたもの。
気になるのは費用。厚生労働省の資料によると、「介護付き」で月額平均22万7,039円。介護サービスが含まれてない分、「住居型」はリーズナブルとされ、月額10万~20万円程度といわれています。
女性が勧めた施設は、充実の設備、また看護職員もいて安心。レクリエーションも盛んだとうたい、自立の人も入居可能とのこと。実際、入居者の1/3は自立している高齢者だといいます。
――ここであれば、すぐに会いにもいけるし安心
ひとつネックになるのが費用。色々と充実しているだけあり、月額費用は20万円超え。女性自身、子どもの教育費に住宅ローンの返済にと余裕はなく、入居費用はすべて父親まかせとなります。綿密なシミュレーションの結果、年金月16万円ほどだという父親。手取りにして14万円程度だといいます。月々の不足額は7万円ほど。1年で80万円超、10年で800万円超、20年で1,600万円超……「うん、貯金でなんとかなるな」と父親。女性の弟や妹も首都圏在住ということもあり、東京に出てきたほうが安心と、父親も腹を決めて上京することになったといいます。
――いつでも会いに行けるから、安心ね
スープが冷めない距離に、高齢の父と娘……しかし、「近くにいれば大丈夫!」と誰もがなるとは限らないようです。