「その国が儲けたお金」を表すGDP。日本は長らく「世界の経済大国」と言われてきましたが、その凋落ぶりも同じように語られています。いまの日本の立ち位置を確認してみましょう。
世界「名目GDP」ランキング…「日本」は「イタリア」に抜かれG7で最下位に低迷、振り向けば「韓国」の土俵際

一人当たりGDP…「日本」ついにG7で最下位に

一人当たりGDPをみていくと、トップはフランスの地中海沿岸にある独立都市国家「モナコ」。上位にはヨーロッパの小国などが並びます。

 

【世界「一人当たり名目GDP」トップ10】

1位「モナコ」240,535米ドル

2位「リヒテンシュタイン」197,268米ドル

3位「ルクセンブルク」125,897米ドル

4位「バミューダ」117,568米ドル

5位「ノルウェー」106,623米ドル

6位「アイルランド」105,993米ドル

7位「スイス」93,636米ドル

8位「ケイマン諸島」91,420米ドル

9位「カタール」87,974米ドル

10位「シンガポール」78,115米ドル

 

出所:国連(2022年)

 

先進7ヵ国では、トップは「米国」で全体11位。「カナダ」(全体18位)、「ドイツ」(全体25位)、「英国」(全体29位)、「フランス」(全体31位)、「イタリア」(全体36位)、そして日本が7位(全体38位)と、「イタリア」に初めて抜かされ、最下位となりました。

 

2000年までは先進7ヵ国で「日本」がトップでしたが、2001年に2位、2004年に3位と順位を下げていき、2007年には最下位に。2009年にリーマンショックの影響の少なかった「日本」は順位をあげるものの、2013年には再び6位まで下がり、そして昨年、イタリアにも抜かれることになりました。

 

そして一人当たりGDPでは、昨今、必ずといっていいほど話題になる「日本と韓国の差」。日本3.4万米ドルに対して、「韓国」は3.2万米ドル。わずか0.2万米ドル差まで差が縮まっています。

 

30年ほど前の1990年には4倍近くあった差は、20年ほど前の2000年には2.6倍に、2010年には1.9倍。そして現在は、振り返ればすぐそこに「韓国」といった状況になっています。

 

低迷する成長率をいかに引き上げるかが、日本経済の課題。少子高齢化が進み、萎む国内市場に悲観的な声が聞かれるなか、一方で、現在が底だとして浮上を予想する専門家も。ぜひ後者のシナリオが実現するよう願うばかりです。

 

[参考資料]

国際連合(UN) National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)