すぐに引越しできないなら「リースバック」という手も
筆者はこの話を受け、「では、住宅ローンの返済機関に事情を話し、了解を得てからマンションを売却するか、あるいは『リースバックする』という方法がありますよ」とお伝えしました。
事前に地元の不動産業者にお聞きした話では、Hさんが住む都内のマンションは最寄駅から都心まで15分ほどと交通の便がよく、また子育てにも適した立地にあるそうです。また、中古マンション価格は現状上昇傾向にあり、ローンの残債や部屋のリノベーション費用を含めてもそれ以上の価格で売却できそうです。
リースバックとは、自宅などの資産を不動産会社などに売却して、売却後は売却先と賃貸借契約を結んで家賃を払い、売却した物件に住むことです。
リースバックをすればマンションの所有権はなくなるため、3年後には上記の「特定居住用宅地等」の特例適用が可能になります。さらに、リースバックであれば退去時の部屋のリノベーションも不要です。
ただし、売却を選ぶ際は代金が住宅ローンの残債より低額にならない売却先を見つけることが重要ですし、リースバックの場合は毎月の家賃が住宅ローン返済額より高額にならないようにすることが大切です。
牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員/CFP
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