老人ホーム費用…どう工面すればいい?
老人ホームへの入居を検討する際、やはり気になるのはその費用。考えなければならないのは「入居一時金」と「月額費用」です。
老人ホーム費用①入居一時金
「入居一時金」は老人ホームならではのもので、簡単にいえば家賃の前払い。想定入居期間を見越して設定され、この期間を「償却期間」といいます。たとえば「償却期間5年」とあれば、「5年間の入居を見越して入居一時金を払ってください」ということ。もし償却期間前に退所することになったら、未償却の部分が「返還金」として戻ってきます。
ここで注意したいのが、たいてい「初期償却」が設けられているということ。これはクーリングオフ期間である入居後90日を過ぎた時点で、10~30%ほど償却される、というもの。償却期間前に退所となったら、まず初期償却分が引かれ、残った分に対し償却分が引かれて返還されます。
たとえば入居一時金1,000万円、初期償却20%、償却期間5年という老人ホームの場合、仮に3年で退所となったら、
1,000万円×0.8=800万円→入所91日目、未償却の一時金
800万円×36/60=480万円→入所3年で償却した分
つまり320万円が返還金として戻ってくることになります。
入居一時金は、「ゼロ円」というところから、億単位のところまで、まさにピンキリ。ちなみに総務省が行ったアンケート調査では、平均260万円程度でした。
老人ホーム費用②月額費用
老人ホームの月額費用には、「家賃」「光熱費など施設運営費」「食費」「介護保険サービスの自己負担分」「介護保険サービス以外のサービス等費用」がかかります。15万~30万円程度の施設が多いですが、豪華な設備を要する施設は施設運営費が高く、トータル月50万円程度になることも。ちなみに厚生労働省の資料によると、有料老人ホームの平均月額費用は、18万9,982円でした。
老人ホームへの入居費用。まとまった金額となる入居一時金は貯蓄でまかない、月額費用は基本的に年金、足りない分は貯蓄を取り崩して対応、というのが一般的です。