二世帯住宅には、単独での購入よりも大きな資金を準備できたり、介護・子育てなど、親子間で助け合うことができたりというメリットがあります。しかし、建築費の支払いや税金、土地・建物の相続をめぐるトラブルが起きやすいことも事実。本稿ではファイナンシャルプランナーの南真理氏が、二世帯住宅の建築を検討している家庭の相談事例を基に、トラブルを避けるためのポイントについて解説します。
父名義の土地に二世帯住宅を建てる28歳・サラリーマン…建築費・税金・相続のトラブルを避け、親子円満に暮らすポイントは?【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

二世帯住宅を建てたい! けど、妻と母が「固定資産税」の支払い方で揉めていて…

親夫婦との二世帯住宅の購入を予定している新婚の吉井忠彦さん(28歳)。ある晩遅く、母・美奈絵さん(56歳)から電話がかかってきました。いつもなら母は寝ている時間なので、忠彦さんは不安を感じながら電話を取りました。

 

美奈絵さん:「お父さん(忠彦さんの父・謙さん)は退職して収入が減ったでしょ。二世帯住宅を建てるのにお金がかかる上に、新築するから固定資産税も高くなるし、払っていけるか心配になってきた」と、そんな内容の電話でした。

 

忠彦さんがそのことを妻・加奈子さんに伝えると、加奈子さんは「いまさら何を。固定資産税は折半するって決めたでしょ。だったらもう家は建てなくていい」と、大激怒。困り果てた忠彦さんは、ファイナンシャルプランナーに二世帯住宅の建築について相談することにしました。

今回のAさんの事例について

【家族構成】

忠彦さん(28歳):会社員

加奈子さん(28歳):忠彦さんの妻。会社員。来年春に第一子出産予定

謙さん(61歳):忠彦さんの父。退職後、近所で週3日パート勤務

美奈絵さん(56歳):忠彦さんの母。主婦


建築予定の二世帯住宅について

土地:謙さん所有。208㎡(約63坪)

建物:謙さん所有の築60年の家を取壊し、二世帯住宅を建築予定

1階109㎡(約33坪)。親世帯の謙さん・美奈絵さん居住予定

2階105㎡(約32坪)。子世帯の忠彦さん・加奈子さん居住予定

二世帯住宅を建てる目的を親子で共有しましょう

まずは、二世帯住宅を建てる「目的」について、親子で共有することが重要です。今後、二世帯間で意図せぬトラブルがあったときに、お互いの目的を知っておくことで原点に立ち返れるためです。

 

謙さん・美奈絵さん夫婦が住む家は、築60年で老朽化も激しく、段差がたくさんあります。今後介護が必要になったときに住みづらく、建て替えをしたいという思いがありました。

 

一方、子夫婦の妻・加奈子さんは、子どもが生まれた後もフルタイムの仕事を続けることを希望しています。親夫婦の手助けを借りながら子育てしたいというのが、子夫婦が二世帯住宅を建てる目的だといいます。