老後に向けて、資産形成のラストスパートとなる50代。しかし思い通りに老後資金を貯められず、万事休す……しかし平均的な退職金を受け取ることができれば大逆転となり、悠々自適な老後生活がスタートさせることができます。ところが、そんな幸せな毎日も一気に崩壊することがあるようです。みていきましょう。
月収48万円・大卒会社員「定年退職金2,000万円」で意気揚々も〈老後崩壊〉の想定外「何かの間違いでは」 (※写真はイメージです/PIXTA)

50代で老後資金500万円未満が半数…最後の望み「退職金」はいくら?

――60歳の定年まであと10年

 

サラリーマン、50代に突入し、ラストスパート! と意気込むタイミング。一方でいよいよ、間近に迫ってきた「老後」に対して、不安を募らせている人も多いでしょう。

 

ベンチャーサポート相続税理士法人が全国50代の会社員を対象に行った『老後資金と働き方に関する調査』によると、82%の会社員が「老後の生活費が不安」と回答。

 

――老後資金がどのくらい必要か分からない

――物価上昇で老後資金の計算が大きく変わってきた

――年金だけで賄えるか心配

――現在の生活レベルを維持できるか

 

さまざまな声が寄せられましたが、十分な貯蓄があればそんな不安は抱かないはず。いまどきの50代、老後資金としてどれくらい準備しているか、というと、最も多かったのが「500万円未満」で49.3%。「老後資金2,000万円不足問題」を機に、老後資金の必要額として「2,000万円」という回答が定番になっていますが、定年までカウントダウンが始まった50代で「老後資金2,000万円」をクリアしているのは20.5%。目標額はひとそれぞれですが、「とりあえず2,000万円」に到達しているのは5人に1人。あとの8割は、この50代に資産形成を本格化させないといけません。

 

とはいえ、誰もが50代で資産増を叶えられるとは限らないでしょう。定年前まで子どもの教育費が結構かかった、住宅ローン返済を優先した、など、お金のかかり方、かけ方はは人それぞれ。そんな人でも一発逆転となるのが退職金です。

 

厚生労働省『令和5年就労条件総合調査』によると、定年退職者の退職金の平均額は、「大学卒・大学院卒」で1,896万円、「高校卒」で1,682万円でした(ともに管理・事務・技術職、勤続年数20年以上かつ45歳以上の定年退職者計)。大学卒・大学院卒について勤続年数別にみていくと、「勤続20~24年」で1,021万円、「勤続25~29年」で1,559万円、「勤続30~34年」で1,891万円、「勤続35年以上」で2,037万円でした。

 

――新卒入社した会社ひと筋で頑張ってきた!

 

転職が当たり前になった昨今、このような人は少数派ではありますが、一途に頑張ってきた暁には、2,000万円を超える退職金が期待でき、老後資金不足問題も一気に解決できる、というわけです。