厚生労働省「令和4年度医療費の動向」によると、新型コロナなどの影響で2022年度の日本の医療費は46兆円と、過去最高額を更新しました。ただ、この医療費は、個々人の意識で節約するが可能だと、医師の秋谷進氏はいいます。医療費を節約するために明日からできる「5つのポイント」をみていきましょう。
75歳以上は年間「95万6,000円」も…家計を圧迫する「医療費」節約のために実践したい“5つのこと” (※写真はイメージです/PIXTA)

医療費を抑えるための「5つ」のポイント

1.信頼できる医療機関を作る

医療費を抑えるための1つ目のポイントは、「信頼できる医療機関を作る」ことです。

 

みなさんは、「はしご受診」という言葉を知っていますか? はしご受診とは、同じ病気や症状で複数の医療機関を受診することです。

 

たとえば、ある人が風邪のような症状で最初にAクリニックを訪れ、診察と処方を受けたとしましょう。しかし、すぐに症状が改善されないため、数日後に別のB病院にも行き、再び診察と処方を受ける……このようなケースを、「はしご受診」といいます。

 

また、病状が安定していても「セカンドオピニオン」として複数の病院を“ドクター・ショッピング”している場合もはしご受診にあたります。

 

しかし、もし信頼できる医療機関が1つでもあれば、どうでしょう? たとえ症状が数日で治らなかったとしても、「この先生なら信用できる」という医師がいれば、同じ医療機関に通って治療を継続すればいいだけの話です。

 

これが違う病院に行くとなると、検査などもすべてやり直しになりますから、それだけ医療費がかさみます。

 

セカンドオピニオンが必要なケースもあるものの、なるべく無駄な医療費をなくすためには、医師と患者がきちんとコミュニケーションを取れる「信頼できる医療機関」を作ることが大切です。

 

2.総合的に診てくれる「かかりつけ医」をつくる

せっかくなら総合的に自分の心身を診てくれる「かかりつけ医」を見つけるようにすると、なおよいでしょう。

 

「かかりつけ医」とは、患者が普段から健康管理や病気の治療を一貫して託す医師のことを指します。ちょっとしたケガや風邪のような急性疾患から、高血圧・脂質異常症・糖尿病といった慢性疾患まで、総合的に診療を担うのがかかりつけ医の役割です。

 

イギリスでは「家庭医制度」(General Practitioner, GP)という制度があり、患者はどんなことでもこの「家庭医」に相談することができます。ケガから緩和ケアまで、“なんでも”です。

 

その後、家庭医が「自分たちで解決できる問題」か「専門医に紹介すべきか」を振り分けます。解決できるものは一次医療を提供し、必要に応じて専門家に紹介する仕組みです。

 

日本はイギリスのように制度が整っているわけではありませんが、このように非選択的にその人を診ることができる「かかりつけ医」がいれば、その人に合わない薬や社会的背景までも把握してくれますし、接触回数が多い分だけお互いの信頼関係も構築されますから、「無駄に検査をしよう」などとは思いません。

 

自分の家族のように親身になって病気や健康について考えてくれることでしょう。