不動産投資は、万が一のことがあっても遺された家族に収入が入り続けるため、生命保険の効果があるとも言われています。さらに、ただ不動産投資をするだけではなく、「団信」に加入することで、より大きなメリットも。本記事では、これから不動産投資を始める人が知っておくべき団信の仕組みと、その効力について解説します。
「死亡リスク」に備えたい…「生命保険以外の選択肢」をとる、これだけのメリット (※写真はイメージです/PIXTA)

生命保険より不動産投資をしたほうがお得といわれる理由

生命保険代わりになる不動産投資と、生命保険。どちらも万が一の事態に備えることができるという意味で比較の対象になるわけですが、このどちらを選ぶのがお得なのでしょうか。

 

一般的に生命保険代わりとなる不動産投資のほうがお得と言われていますが、ここではその根拠について解説します。

 

団体信用生命保険のほうが負担額は少なくなりやすい

団信と一般的な生命保険の違いを見ると、一般的な生命保険のほうが自由度は高いように見えます。団信はローンの返済を担保するための仕組みなので自由である必要はなく、あくまでもローンの代位弁済をしてもらうための保険です。

 

しかしこの生命保険の「自由」であるところに、デメリットもあります。契約者が自由に保障内容を決められるだけに営業マンに勧められるままに加入してしまうと、不要な保障に対する保険料を支払ってしまう可能性があります。この弊害はかんぽ生命のスキャンダルでも改めて浮き彫りになりました。

 

一方で団信は必要十分の保障に対する保険金なので無駄がありませんし、すでに述べたように加入者の年齢や属性によって保険料が増減することはありません。一般の生命保険だと保険料が高くなる年齢の人など、団信のほうが保険料を安く抑えられるケースは多くあります

 

団信は掛け捨てで期限のある生命保険ですが、保険金によって残債が完済された場合、ローン返済義務のない収益物件から入る家賃収入に期限はありません。場合によっては一般の生命保険で支払われる保険金よりも、残された収益物件から受け取れる金額のトータルで不動産投資のほうが高くなることもあります。

 

不動産投資は年金代わりにもなる

生命保険効果と並んで不動産投資のメリットとされているのが年金効果です。収益物件は入居者がいる限り家賃収入が入り続けます。兼業で不動産投資家をしている人が定年退職の時期を迎えたとしても不動産投資家までリタイアするわけではないため、所有している物件からの家賃が止まることはありません。

 

現役世代のうちに収益物件を所有しておくと、家賃収入が定年退職後の年金代わりになります。公的年金の減額や支給年齢の引き上げなどが取り沙汰されるなか、老後に不安を感じている人は多いと思います。
不動産投資の年金効果は、こうした不安を解消するのに大きな役割を果たします。

ただし不動産投資のリスクにも注意

生命保険と比較してもメリットの多い不動産投資ですが、もちろんデメリットやリスクもあります。

 

不動産投資の大敵とされているのが空室リスクで、所有している物件が空室になると家賃収入が途絶えてしまいます。それが長期化すると資金計画や賃貸経営の全体にも悪影響をおよぼすでしょう

 

ほかにも自然災害や家賃滞納など、不動産投資にリスクは付き物です。しかしながら不動産投資はこうしたリスクへの対処も含めてすでに手法が確立しており、リスクを抑える有効な手段が整っています。

 

すでに多くの不動産投資家がこうしたリスクを抑えながら安定的な収入源を確保しているので、「高い生命保険料を支払うなら」という理由で不動産投資を検討している方も、ぜひ本記事で解説したメリットを考慮してみてください。

人生最大のリスクに備えるのに生命保険である必要はない

人生にはさまざまなリスクがあります。そのリスクに備えるのが保険で、最大のリスクである死亡や高度障害に備えるのが生命保険です。このことを考えると生命保険に加入することは必須といえますが、必ずしも一般の生命保険である必要はありません。

 

一般の生命保険と同等、もしくはそれ以上のメリットがある不動産投資の団信を活用することにより、保険料を抑えつつ大きな安心や資産形成効果、年金効果も手に入れることができます。

 

 

山崎 博久

リズム株式会社

アセットコンサルティング事業部長