“1億円超”の高級マンション…メインの購入者層になりつつあるパワーカップル
大半の人にとって、人生でもっとも高額な買い物となるマイホーム。住宅価格は数千万に上るため、多くの人が住宅ローンを利用します。
ところで、住宅ローン利用者はどれくらいの金額を借りているものなのでしょうか。国土交通省の『令和4年度 住宅市場動向調査』によると、新築分譲マンションの「購入総額」は5,048万円。うち、自己資金(頭金)は1,438万円であり、差額の3,610万円を住宅ローンで調達しています。
同じく新築分譲マンションを初めて取得した世帯の平均的な世帯年収は923万円。注文住宅や分譲戸建住宅を購入した世帯よりも200万円近く収入が多いことには注意が必要ですが、年収に占める返済負担率は17.4%と、余裕のあるプランでローンを契約していることがわかります。
住宅ローンをいくらまで借りられるのかは、年収のほか勤続年数、他社での借り入れ状況などに左右されます。そのため、最終的に希望した金額を借りられず、マイホームを諦めざるを得ないケースも。実際、同調査では新築分譲マンション購入者の4.9%が「融資条件を厳しくしなければ融資不可」、3.7%が「融資は一切できない」と融資を断られる経験をしていることがわかっています。
先ほどみた通り、新築分譲マンション取得世帯の世帯年収がほかと比べて高い理由は、都市部に続々と供給された高級マンションを購入した富裕層が平均を引き上げているため。世帯年収700~800万円の一般的な世帯だけを切り取れば、融資を断られた経験がある人の割合はもう少し高まるものと思われます。
その点、夫婦共働きで、ともに高い収入を得ている「勝ち組夫婦」には大きなアドバンテージがあります。最近では、1億円超の高級マンションのメインの購入者層になっているともいわれますが、仮に世帯年収1,500万円の夫婦が、ペアローンで1億円のマンションを購入したとしたら、返済プランはどうなるのでしょうか。
世帯年収1,500万円に対し、適正な返済負担率とされる20~25%を当てはめると、年間返済額は300万~375万円、月々の返済額は25万~31万2,500円で、1人当たり12万~16万円程度。夫婦2人の稼ぎから考えれば、無理な金額ではなさそうです。金利が0.5%、30年で返済するプランなら、借入可能額は8,500万円ほど。1,500万円ほどの頭金を用意すれば、“億ション”にも余裕で手が届きます。