FXは24時間取引できるため、初心者トレーダーは時間を選ばず自分の好きなタイミングでトレードしがちです。一方で、FXで大きく利益を上げているプロトレーダーには、注視する相場の時間帯でトレードをしていると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。一体いつでしょうか。みていきます。
FXは24時間トレードできるが…プロトレーダーが注視する「相場の時間帯」 ※画像はイメージです/PIXTA

大きく相場が動く時間帯とは?

次に、プロトレーダーが意識している相場の特性は、主要マーケットが始まる時間帯です。為替市場には、米国、欧州、日本という主要マーケットが3つあります。

 

それぞれの市場が始まると、比較的大きな資金移動が起こるため、相場が大きく動く傾向にあります。特に欧州市場と米国市場が重なるタイミング(日本時間深夜)では、一日のうちで一番大きな動きになることがよくあります。

 

大きく利益を上げるトレーダーは主要マーケットが動き始めるタイミングを理解しているため、「相場が動くところで勝負する」という選択を取れるのです。24時間市場が開いているFXでは、利益を取りやすい場所でトレードするという考え方が非常に大切になります。

 

これに対し、マーケットの時間を意識していない初心者トレーダーは、いつでもどこでも平等に利益を出すことができるという思い込みによって、相場が動かない時間でも取引してしまいます。その結果、流動性の低い相場で利益を上げるために、無理なロットを張って取引してしまいます。

 

プロトレーダーは不確実性の高い相場で大きなロットを張ることはありません。主要マーケットが動くタイミングで、より確率の高い利益を見込むことができるかどうかがプロと初心者の大きな違いでしょう。

相場の特性を知る優位性

今回は、季節によるマーケットの開始時間と、相場が動きやすい主要マーケットについて解説しました。相場の特性を知ることで、日々のトレードは想像以上に好転します。自分のトレードだけに集中していると思考が固まりやすく、変化に弱い体質になってしまいます。超短期売買を繰り返すトレーダーであれば、市場の特性を知る必要はないかもしれませんが、一般的なトレードを行う人にとって、相場の特性を知ることはトレードスキルを上げる第一歩になります。


今回紹介した相場の特性は、プロトレーダーがFXで意識している相場の特性のうちのひとつです。季節で市場のオープンが変わることと、3つの主要マーケットが始まるタイミングで市場が大きく動くことは、相場の特性のなかで優先的に覚えたい事項です。

 

この基本的な相場の特性を覚えておけば、相場を客観的に見ることができるでしょう。また、「勝てるところで勝負する」というプロトレーダーの真髄に近づくことができます。初心者トレーダーから脱却してプロトレーダーを目指したいという人は、自分のテクニカル分析だけに集中するのではなく、相場を客観的に観察するスキルを学んでいくといいでしょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント

執行役員