48歳「手取り月16万円」の非正規・独身男性、このままでは「1,600万円の老後資金不足」も…65歳までの“資産形成プラン”に「なんとかなりそうです」【CFPの助言】

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牧野 寿和
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48歳「手取り月16万円」の非正規・独身男性、このままでは「1,600万円の老後資金不足」も…65歳までの“資産形成プラン”に「なんとかなりそうです」【CFPの助言】
(※画像はイメージです/PIXTA)

就職氷河期に大学を卒業し、やっとのことで非正規雇用の職場に入社したTさん。しかし、あることをきっかけに長い間、引きこもりになってしまいました。48歳の現在は、別の会社で非正規雇用として働いているものの、老後の生活に不安を覚えています。牧野FP事務所の牧野CFPは、Tさんに「非正規雇用でも安心して老後を送る方法」として、どのような助言を行ったのでしょうか。みていきましょう。

1,600万円では不十分…「物価上昇」のリスクに注意

順調に積み立てていけば、机上では上記のように老後の生活資金の準備ができる計算です。しかし実際には、消費者物価が上昇していけば、銀行に預金しているだけでは資産価値は目減りしてしまいます。

 

そこで、確実に資産を増やしていくためには、物価上昇分の収益が期待できる「株式」や「投資信託」といった金融商品で積み立てることも必要になってきます。ただし、運用次第では元本を割るリスクがあるため、運用する際はその金融商品の特徴をよく調べてから始めることが大切です。

 

現在、元本が保証されている金融商品は、銀行の定期預金など一部の商品にすぎません。

 

また[図表3]のように、定期預金で元本を確保しながら金融商品で収益を得るといった、商品を分散して投資する方法も考えられます。

 

[図表3]毎月4万円ずつ定期預金と金融商品に分散して17年間投資をした場合の利息と元利 出所:筆者が作成
[図表3]定期預金と金融商品に、それぞれ毎月4万円ずつ17年間投資をした場合の利息と元利
出所:筆者が作成

 

税制優遇制度が適用されている、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用すれば、非課税の恩恵を受けられます。また、投資資金をクレジットカード決済することで、ポイントの優遇を受けるのもひとつの手です。

 

ここまで話を聞いたTさんは「コツコツやっていけばなんとかなりそうですね。こうやって数字でみると、意外と蓄められそうで安心しました。ありがとうございます」と、前向きな反応をみせてくれました。

 

投資をスタート…相談を機に前向きになったTさん

Tさんは筆者との面談後、しばらくして近況報告に来てくれました。聞けば、定期預金とNISAを利用した積立投資を始めたそう。

 

また、Tさんは、C社に勤め始めて5年以上経っていることから「無期転換ルール」で正社員に登用してもらうことも可能です。しかし、「非正規雇用だからこそ、他社からの依頼を受けることができているし、どうしようか迷っている」と、前向きな悩みを話してくれました。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所

代表FP/CFP

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。

<注釈・参考>

※1 厚生労働省HP「就職氷河期世代の方々への支援について」
現在厚生労働省は、1990年~2000年代に就職活動を行った世代を「就職氷河期」と定義し、「就職氷河期世代支援プログラム」を通して就職氷河期世代を官民で支援している。

※2 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」内「雇用形態別にみた賃金」

※3 非消費支出は通常、年金受給時に天引きされる。

※4 厚生労働省「簡易生命表(令和3年)」

※5 金融庁「NISA特設ウェブサイト」

※6 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」

※7 「無期転換ルール」……同一の使用者(企業)と有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者(契約社員など)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルール。有期契約労働者が使用者(企業)にこの申込みをしたら、無期労働契約が成立し、使用者は断ることができない(厚生労働省HPより抜粋)。