(※画像はイメージです/PIXTA)

同居する人がいない「おひとりさま」が亡くなった場合、遺産があれば相続の問題が発生します。しかし、親族と折り合いが悪い、疎遠である等の理由で、親族に遺産を相続させたくないというケースも考えられます。そのような場合、事前にどのような手段をとっておけばよいのでしょうか。相続に詳しいダーウィン法律事務所共同代表の野俣智裕弁護士が解説します。

1.おひとりさまの財産の行方

(※画像はイメージです/PIXTA)
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もし、相続について事前に何も手を打っておかなかった場合、おひとりさまが亡くなった後の財産の行方はどうなるのでしょうか。

 

相続が発生したときに、法律上、「誰が」「どれだけ相続することができることになっているのか」ということを確認しておきましょう。

 

誰が相続人になるのか

まず、「誰が相続人になるのか」についてです。

 

民法で相続人になる者として定められている人のことを、「法定相続人」といいます。

 

配偶者がいれば、配偶者は常に相続人になります。ここでいう配偶者は法律上の配偶者に限り、内縁の配偶者は含まれません。

 

第一順位の相続人は子(すでに亡くなっているときは孫以下の直系卑属)です。配偶者と子がいれば、その両者が相続人となります。また、配偶者がおらず、子だけの場合には、子だけが相続人になります。ここでいう子には、養子も含みます。

 

第二順位の相続人は直系尊属(親、親が亡くなっているときは祖父母、更にその上など)です。子や孫などの第一順位の相続人がいない場合に相続人になります。配偶者と直系尊属がいれば、その両者が相続人となり、直系尊属しかいない場合には、直系尊属のみが相続人になります。

 

ここでいう直系尊属には、養子縁組した養親も含まれます。

 

第三順位の相続人は兄弟姉妹です。

 

第一順位、第二順位の相続人が全くいない場合には、兄弟姉妹が相続人になります。すでに亡くなっているときは、その子、つまり甥または姪が相続人になります。なお、甥や姪までも亡くなっているとき、その子は相続人になりません。

 

どれだけ相続することができるのか

次に、「どれだけ相続することができるのか」についてです。

 

法定相続人の間の相続分(相続することができる割合)は民法で定められています。これを法定相続分といいます。法定相続分は次の7つに場合分けすることができます。

 

・相続人が配偶者のみ⇒配偶者が全部相続

・相続人が配偶者と子(直系卑属)⇒配偶者が2分の1、子が2分の1(複数の場合は頭数で等分)を相続

・相続人が子(直系卑属)のみ⇒子が全部相続

・相続人が配偶者と親(直系尊属)⇒配偶者が3分の2、親が3分の1(複数の場合は頭数で等分)を相続

・相続人が親(直系尊属)のみ⇒親が全部相続

・相続人が配偶者と兄弟姉妹⇒配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1(複数の場合は頭数で等分)を相続

・相続人が兄弟姉妹のみ⇒兄弟姉妹が全部相続(複数の場合は頭数で等分)

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。