昨今は中学受験が一般化。受験勉強に奮闘する小学生、というのも珍しくなくなってきました。ただ全国一律、というわけではなく、やはり受験熱の高い地域、低い地域と差は大きいようです。「周りの子はみんな中学受験するんだって。」そんな地域に住んでいたら、どうなるのでしょうか。みていきましょう。
月収35万円・4人家族の40代サラリーマン〈文京区〉→〈都外〉の引越しで小1の次男が放った「衝撃のひと言」 (※写真はイメージです/PIXTA)

30代で文京区に引越してきた幸せ家族だったが…

都心に勤務する40代のサラリーマンが、いまから遡ること10年前、会社へのアクセスを考えて、東京・杉並区から文京区の賃貸マンションに引っ越した時のことを振り返った投稿。

 

ーーお子さんの受験に向けて?

 

杉並区から文京区に引っ越したことを話した時の会社の同僚のひと言。「いや、まだ上の子は幼稚園だし……」と、何を言っているのか分からなかったといいます。ただその意味はすぐに分かったといいます。「周りは教育熱心な親ばかりでした」。

 

東京都教育委員会『令和5年度公立学校統計調査報告書』によると、令和4年3月に東京都の公立小学校を卒業したのは9万8,518人。そのうち、都内私立中学校に進学したのは1万9,521人で、全体に占める割合は19.81%。過去5年間の数値をみていくと、「2019年:17.92%」→「2020年:18.44%」→「2021年:18.71%」→「2022年:19.37%」→「2023年:19.81%」と、一貫して微増を続け、中学受験熱はまだまだ高まる様相を見せています。

 

これはあくまでも都内私立中学への進学に限ったことなので、国公立中学を受験し進学した子、都外私立中学に進学した子、受験はしたけど公立中学校に進学した子も含めると、中学受験に挑戦した子は5人に1人以上いると考えられます。

 

ただ、同じ都内といっても地域差があり、60以上の区市町村のある東京都において、最も私立中学進学率の高い「文京区」は、私立中学進学率は49.50%。2人に1人の水準です。同じ23区でも、最も私立中学進学率の低い「東京都江戸川区」とは38ポイントもの差があります。

 

文京区には女子御三家の「桜蔭中学校」など、10以上の私立中学が立地。さらに「筑波大学附属中学校」「東京都立小石川中等教育学校」「お茶の水女子大学附属中学校」「東京学芸大附属竹早中学校」と人気の公立中高一貫校や国立名門附属中学校が多く点在するうえ、東京大学や東京医科歯科大学など、名門大学も立地。否応なしに教育熱が高まる環境です。

 

さらに自身はごく平均的な収入と前置きをしたうえで、「保護者の方も良いところに勤めている人ばかり」とただ驚くばかりだったといいます。公立校に比べて、教育費は3~4倍程度になるといわれる私立中学。親の収入がものをいいます。

 

厚生労働省の調査によると、サラリーマン(正社員・平均年齢43.5歳)の平均給与は、月収で35.3万円、年収で579.8万円。対し、文京区に住む会社員(男女計)の平均年収は667万円で、東京都23区では第6位。平均給与をみるだけでも、文京区の中学受験熱が高いのも頷けます。