賃貸経営を行うにあたり、投資家の多くが「築年数」や「立地」を重視するはずです。実際、入居者も「築浅・好立地」の物件を中心に住まいを探しているケースは多く、賃貸経営を成功に導くために、そうした条件を満たした物件を選択することは重要かもしれません。ただし、「築浅・好立地」だからといって、賃貸経営が必ず上手くいく訳ではありません。本稿では、株式会社LandSitz代表の船橋寛之氏が、好条件の物件を手に入れたにもかかわらず「空室続き」といった状況に見舞われているオーナーの共通点について解説します。
「築浅・好立地」なのに失敗するオーナーの共通点は?
結局、「築浅・好立地」の物件を手に入れたのに空室に悩まされているオーナーの多くは、それらの条件を表面的にしか捉えていないようです。とにかく「築浅」であれば入居者に好印象を与えられると思い込み、多くの入居者の真のニーズである「快適性」の重要性を見落としているのです。
一方、「立地」についても最寄り駅までのアクセスばかりを重視し、周辺の施設や治安をさほど気にしていません。そして何より、賃貸需要が高いエリアであるか否かという判断も疎かになっているのが現実でしょう。
言葉を換えれば、賃貸経営に成功しているオーナーは、あくまで「築浅」は「快適性」に結びつく条件の1つにすぎないことを理解し、日ごろの管理やメンテナンスにも気を配っています。その観点から間取りや収納スペースにもこだわり、インターネット環境やオートロック、防犯カメラ、宅配ボックスなどといった設備面も重視しているのです。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、リモートワークやウェブ会議がにわかに普及しましたが、そういった目的で使用できるスペースの確保も人気を呼ぶ秘訣となっているようです。
成功しているオーナーは、入居者目線で物件を選び、設備の充実にも力を入れています。オーナー自身がずっと住み続けたくなるような環境が整っている物件であれば、空室知らずの状態が続きやすいうえ、突発的に空室が発生したとしても、すぐに次の入居希望者がやってくるのです。
株式会社LandSitz
代表
1984年生まれ。
不動産業者のウソを見抜き、投資家を守る不動産のウソ発見器。
不動産で安定収入を確保して、「お金の不安から解放されたい人」、「本当にやりたいことを実現したい人」を支援。
祖父(元大手テレビ局取締役)から挑戦と自立を求められてきた家庭に育ち、父のドイツ駐在中(元大手総合商社副本部長)に欧州通貨統合を経験。その影響を肌で実感し、経済学とお金に興味を持つようになる。高校時代には、国際バカロレア(欧州大学入学資格)を2年間かけて取得し、帰国後は立教大学経済学部経済学科に入学。1年時から株式投資を開始。大学卒業後は、学生時代の株式投資に影響され、大手金融系シンクタンク(大和総研)に入社。大和証券・大和総研で11年間勤務後、独立。
大学生時代からクレジットカード、電子マネー、電車の回数券、各種ポイントカードを効果的に使い、少しでも使うお金を減らす努力を開始。株式投資では損失を出し、安定収入を確保できる投資商品を模索した結果、不動産にたどり着く。
「キャッシュフローの確保」を第一優先事項に掲げて不動産投資に挑み、33歳で東京23区主要駅徒歩7分以内の築浅物件を中心に最大で6棟55戸を所有(半数近くがJR山手線内側エリア)することに成功。年間賃料収入約4,400万円、キャッシュフロー1,700万円、総資産6億円超えを達成。借入金利は1.0%。その後、複数回の売買を経て現在は合計3棟33部屋を保有。残債利回り約11.4%で総資産約5億円・純資産は2億円越え。
不動産投資歴は約16年。ビジネスでは少ない労働で収入を最大化することにこだわる。目標は時給10万円。2021年からIPO/PO(年間平均当選:約50回)を中心とした株式投資に参入。学生時代に失敗した分野でリベンジを誓う。
家では、妻と協力しながら家事育児を楽しむ(8歳の長女、4歳の次女、2歳の長男)。財布の紐は固い倹約家。
資格
・宅地建物取引士
・応用情報技術者
・International Baccalaureate
株式会社LandSitz
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載不動産業界から「あなた」を守ります…不動産投資の裏側を知る教科書