多くの人が憧れる、タワーマンション(以降略してタワマンと表記)。富裕層でなければ実現できないと思われがちですが、実はコンパクトな物件であれば1億円以下で購入できるものもあります。意外と手が届きそうなタワマンですが、購入して後悔、というケースも少なくはないようで……。本記事では、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏がタワマンを購入したTさん夫婦の事例とともに、住宅ローンの適切な資金計画について解説します。
始まりは「湾岸タワマンツアー」…手取り月38万円の20代夫婦、頑張ったら「狭いタワマン」に手が届いてしまった悲惨な末路【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「湾岸タワマン内覧ツアー」の投稿を目にした夫婦

タワーマンションとは、基本的に集合住宅としてつくられた20階以上の高層建築物のものをいいます。

 

タワマンに住んでいる人は「富裕層」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。そのほか、眺望や共有施設の充実など、誰もが一度は住んでみたいと憧れる、ステータスの高いマンションといえるでしょう。

 

Tさん夫婦は同級生の26歳。お互い都内の会社に勤務する共働き夫婦です。夫の手取りが約20万円。妻の手取りは約18万円。夫婦あわせて38万円です。タワマンなんて夢のまた夢と思っていたけれど、偶然目にした投稿から参加した「湾岸タワマン内覧ツアー」。話を聞くと、夫婦2人の手取りを合わせれば、なんとかなるかもしれないと話が進み……。

「憧れの生活も夢じゃないかも」タワマンに魅了される夫婦

Tさん夫婦がタワマン購入の実現に向けて検討をはじめた理由は、タワマンにもコンパクトな物件があることを知ったことからです。広すぎて持て余すということもなく、夫婦2人暮らしにピッタリなサイズの物件も存在します(なかには30平米というところも)。

 

タワマンといえば購入価格は1億円以上があたり前。購入する人は会社の社長等の富裕層でないと購入できないと思っていましたが、1LDK(40平米)ほどのコンパクトな物件もあり、購入価格も1億円しないものもあります。2人で生活するのであれば、問題ない広さかもしれません。

 

Tさん夫婦は「夢の物件を本当に購入できるかもしれない」と、実際に不動産めぐりをはじめ、内覧会等にも参加しました。

 

見れば見るほど、結婚当初、記念日に宿泊した高級ホテルからみた夜景が毎日の生活で体感できるのではと、心が弾みます。眺望もよく、さらに共有施設も充実、セキュリティもしっかりしているとなると、2人とも購入にむけて気持ちが高ぶっていきます。